こんな舞台の夢を見た

生き別れの双子の兄が居た。

何処かの屋敷の当主である主人公は、明晰な頭脳とその腕前をもってして
数々の難解な事件を解決に導いてきた。

しかし、どこかのタイミングで事件の捜査中に返り討ちに会い、生命の危険が身に迫ろうとした時のこと。

突如としてワープゲートが開き、別世界のパラレルワールドへと足を踏み入れてしまった。
そこは弟である自分が死んでいて、双子の兄が生きていた世界だった。

兄も自分と同じように探偵稼業をしているようだが、自分とはまるで格が違う。
その頭脳も冷静さも、武術の腕前も完璧と言っていいほど、非の打ち所がない。

自分はどうしてあの世界で生き残ってしまったのだろう。
どうして兄が死ななければならなかったのだろう。何一つ向こうのほうが優っていたのに。

主人公はそんな葛藤の中、兄であるパラレルワールドの屋敷の当主に接触を試みた。

 
テーマは「自己愛」

 
ラストは無事に元の世界に辿り着き、
兄にはない自らの才能を発揮して未来を築いていくのだが・・・果たして。

登場人物は、あと7〜8人くらい必要だな。

執事の「セバス・チャン」は確定だ(。◕ ∀ ◕。)ノ
なぜ執事の名は常に「セバスチャン」なのか、それは舞台が定める謎の剪定。


説明口調の描写って

なんか説明口調の下りがあるじゃないですか。
この「名所」はウンタラカンタラでこういう過去があってスペックはこれくらいで初めての印象はこんな感じでこれからこの「名所」でこんなことができたらいいな〜期待感含めて7行半くらい文字がだら〜って続いてるやつ。

あれ、なんというかチープな印象を受けてしまうのでした。
芸術的な文体の綴りから一変、説明口調の長文が入ると、高音質のクリアな音源から突然チープなFCサウンドでメロディをベタベタに演奏しだすかのような。
なんとも三文小説のようになってしまいあがる。

 
もちろん、ストーリーのあらすじを綴ったり舞台背景を手っ取り早く読み聞かせるにはそれが一番。
説明口調で案内役の登場人物にでも喋らせればイイ。

 
しかし、こういう箇所は読み飛ばしの格好のカモ。
めんどくさいから読み飛ばしますよ。

描写はどのみち、物語の進行していくうちに少しずつ見えてくるものだし。
一気に見せずに、少しずつ視点を変えながら発見していくことで、
あたかも共に未知の場所を探索したような気にもなる。

 
とりあえず舞台設定は下書きの段階で書いておくけど、描写はどんどん削って後で調整していったほうがいイイかなと思うようになった。書き綴るのは、語り手の視点で注視スべき箇所のみの方がスマートで良い。世界設定とかの描写は、進行に関係なければどーでもいいものだ。

という感じで、色々と修正点が多いようです。


十二夜を詠みあげた感想

シェイクスピアの戯曲、第十二晩目の出来事。
舞台の上で演じることを想定した、台本。脚本ともいうのでしょうか?

ほぼ台詞のみで物語が表現され、台詞ひとつひとつ、独特の言い回しが耳に残ります。
ユニークな掛け合いの連続で見えてくる登場人物の人柄、その目的、人間関係。

物語の中枢は、人間関係を元に構成されていて
その心の、意志のぶつかり合いが歪を、小さな物語の種を生み、
それらの物語一つ一つが絡み合って解け、大舞台の幕が閉じられる。

まるでパズルのようだとも思いました。

そうだ、物語はパズル。
登場人物はピースの欠片で、意志がその形を示し、
然るべき場所に辿り着くよう、舞台が動こうとする。

意志のぶつかり合い、ピースとピースの欠片がぶつかることで、お互いに生まれる動き。
欠片は役目を与えられた。例えピースが合わなくても、それ自体が物語を生む。

 
いがみ合いはスムーズな進行の足かせとなるが、
白紙のページに傷として残ることで、舞台にコード、音を響かせる。

その音は、物語の裏に隠されたメッセージを暗喩する。
ささやかな、ささやかな。

 

まさかと思った。

物語は、情景描写がなくとも物語になる・・・
役者たちが登場人物に成り代わってその台詞を詠み上げることで
かくも表現すべき舞台背景を演出することが出来るのか?!

 
彼の物語は、最初に登場人物ありき・・・
そのピースの欠片を、時の運命が彼らを動かし、一枚の絵画を築きあげるのだ。

 
Finaleは、見事な大団円であった。
運命の輪が、正しい位置に収まったのだった。

 

ここまでの物語の経緯に、人々の葛藤を思い、音楽を感じ、時間の流れを共にする。
戯曲が戯曲である所以は、此処にもあるのか、と思った。

曲作りも似たような感じだ(‘ ‘*)


お金のマジック

ただの紙切れに、類まれな印刷技術を用いて刷られたお札。
いろんな箇所に凝った装飾や紋様が施されていて、それぞれに個体番号が振られている。
個体認識番号以外、全部同じ紙切れ。それが全国に散らばり、皆がその価値を認め、モノの売り買いに使われる。

お札の紋様って、木の年輪みたいに、バーコードみたいに、あれ自体が一定のデータを示すもの。
同じデータ端末を大衆全員に握らせている。おとおとおと。同じ音。同じ価値観。

で、お札にはいろいろ装飾がある。
あの中に、何かしらの意図的な効能のオトを施していたらどうか。

例えば、バーコード語で「遠視」という装飾をお札に施したら?
日本全国の人々の感情や動向を読み取るバーコードがあの中に印刷されていたとしたら?
それが、お金を刷った人のもとに流れてくるとすれば?

そして、お金と同じ文様の「コードの原版」を通し、その上に何かを被せて、お金をもつ民衆の動向を少しだけ錯覚させられるとしたら?
えっとそうそう、経済の動向を操作。デフレだよ。インフレだよ。そんな感じのニュアンスをお札のコードで発信できるとしたら?

 
お札にはたくさんの目がある。
人物だけじゃなくて、紋様の中にもたくさんの目。
数々の紋様の魔法陣で取り囲んで、かこめかこめ。

PCのデータってどんな形になってるかというと
0101010101010101010101010101010101010101010101010101010101

0と1で語られる模様。それが絵とか図とかで表されてる。
お札もあの装飾自体が何かのデータ端末で、同じものを握らされているふうな。

 

ということをあれこれ考えてるうちに、面白い遊びを見つけました。

こんなお札の精巧で素晴らしい図柄に、一点の針の穴ほどの黒点を。意図的に。
自分のもってるおふだ全部に施す。ささやかにささやかに。ほら、自分の経由したおふだの印♪
帰ってきたら直ぐ分かるからね。

個体識別番号以外の、何らかの、一点のバグが、おふだに仕込まれることになる。
自分の経由したおふだの数だけ、一点のバグが全国をめぐる。

一点に意志を込める。「価値の塗替え」
そうすれば、1千円が1万円の価値になったり
1万円が1円の価値になったりするのではなかろうか?

1000って、0を一個足すだけで10000だし
10000だって、反転させるだけで1になる。

なんて簡単な数字あそびなんだろう。

 

大多数の人が、自分で価値を創造することを思い出すだけでいい。
たぶん彼らは、既にあるものに依存するうちに、自分で何でも描けることを忘れてしまっていたのだろう。
それによる弊害は色々あるだろうけど、お金の件もわりと同じ。

永らくお金の価値が書き換えられることはなかった。

でも、皆が1点だけでも描くことを思い出せば。
世の価値観など、簡単に塗り替えてしまいかねないじゃないか。


シ・ス・テ・ム

自分の駒と相手の駒が盤上に並んでいる。

「相手に勝利する秘訣はなにか?」

 
と、名うての老年棋士は弟子に問うた。

 

「各駒との連携。チームワーク。
 同じ志を共有し、各々の特性をつなぎあわせて絶大な戦闘力を発揮させること。
 そうすれば、敵がどんなに強大であろうとも打ち勝つことが出来るでしょう」

と。其れに続く弟子が応える。

 
「軍を率いる隊長としてはその答えでも十分だろう。
 だが棋士として、その考えだけでは浅はかだな。
 そもそも倒すべき敵とは何なのかね?」

「敵とは、相手側の”キング”ではないのですか?」

「そうであるとは限らない。ルールは状況によって変化する。
 何の考えもなしにゲームに熱中すると、時折見落としてしまうのだよ。
 本当の勝利条件は何処にあるのか?ということをね。」

「・・・」

「例えば、味方だと思っていたのが実は敵の操る駒だったら?
 或いは倒すべき敵だと思っていた駒が、勝利に必要不可欠な自軍の駒だった場合は?」

 
彼は言った。

勝利条件を明確にすること。
盤上では誰が味方(必要な駒)で、誰が敵(不必要な駒)なのかを明確にすること。
駒がどの陣営に属するかはあまり問題にはならないのだよ。

 
そして勝利条件を達成することが目的ならば、
不必要な駒をおちおち相手にしてはおれぬ。

 
見なさい、敵の駒は棋士(システム)という頭脳の下に動かされた操り人形。
君は勝利のために、わざわざ代替の効く人形たちを相手にするというのかね?

 

 
駒は駒でしかない。
役割を与えられた駒とはいえ、それは単なる駒にすぎない。
勝利条件は盤上を制することで、プレイヤーとして相手を制すること。必ずしも敵の駒を倒すことではない。

それを肝に銘じておくことだ。

 

・・・

 
 

この間、サイコパスというアニメが放映されてました。

システムで心理状態が数値化され、ネットワークで管理されるというもの。
犯罪を取り締まるために、犯罪を犯す可能性のある心理状態の者を予め排除し、更生させる。
それで健全な社会を守っていこうとする世界設定でした。

 
勝利条件は?

それは、システムの健全な運用を維持しつづけること。
その為に、潜在犯を捕まえて、彼らの心理状態をクリアに保つことだ。
その業務は常に必要とされる。いったい何を以って勝利となりえるのか?
 

微妙に勝利できない勝利条件。
つまりその盤上に居る限りプレイヤーは永遠に勝てない。
いつしか操作ミスをして敗北しかねない。

人間の作ったシステムというのは、常に監視しないと理想形を保つのが難しく。
常々イレギュラーな存在に対処していかなければ、簡単に瓦解してしまう。

 

脆きモノ、その名は人間社会。

 
今、置かれてる境遇が、何か違う意志によって仕組まれていると気づいた時、
それを改善する手がかりが、必ずやどこかに眠ってることだろう。

システムはそれ自体では独立できず、いつでも人間の手によるメンテナンスが必要だ。
では、そのシステムが敵(邪魔な存在)だとして、それに従事する駒を片っ端から倒していくのは?

 
そんなことしても直ぐに誰か代わりのものが職務に就き、役割を遂行していく。
あれは単なる操り人形、駒であって、倒すべき存在ではない。

骨折り損だ、まさに相手の盤上に踊らされるピエロと成り果てるのか?
敵プレイヤーの思う壺なのだと。

 

自分はいったいどういうゲームをプレイしているのだろう?
どうすれば勝利条件を達成できるのだろう?
その為に必要なピースは何なのだろう?

常に底(基本)から把握する必要がある。
単純明快にして、ついつい見落としがちな要素だ。