お話してみる?

ねぇ、お話してみる?
遠くへ行ってしまった人と、お話してみる?

できるよ。

 

骨。があれば。
地中に埋めて、樹を植えれば。
樹の根っこが、地中の骨と繋がるパイプになって

葉っぱがそよぐ。そよそよ
ささやかな木漏れ日が、あなたを照らすよ。

さやさや。
その風には、骨の記憶が宿る。
死者の魂の声。

その人を本当に愛してたなら
あなたにしか分からない何かを、きっと感じられる。

 

一番は、骨だけど。

遺品でもいいよ。
生前、肌身離さず使ってたモノはある?

それに触れるよ。
そして、自分も同じように使ってみるの。

ねぇ、分かる。
それを使っている感覚。
あの頃の、あの人と、おんなじ感覚を、
今自分も、味わってる。

 
同じ感情、同じ波動を持つ時、
世代を超えて、当時の記憶が蘇る。

 

さぁ、ごらん。
当時の、あの人の再来だ。 
 
その記憶を受け継ぐは
あなたにこそふさわしい(‘ ‘*)


時をかける夢

時をまたぐお使いをしてた。
3日後の、これを、1日前のここへ運ぶ。
それによって、多くの連鎖が起こっていく。

あるべきはずのものが、ない。
ないはずのものが、ある。

ささやかなお使いが、時空の歪みを生んだ。

 
蝶の羽ばたきが竜巻となるように。

あるべきはずのものがないこと
ないはずのものがあること

全ての存在に、様々な不具合が起こってしまう。
たった一手、理に外れた何か、その一手を、この星に存在する全ての者に、矯正させてしまう。例えば、1人5秒の一手が、×全ての人口の数だけ、そして全ての星の数だけ、徒労を余儀なくさせる。

表層では、よかれと思ってしたことだ。
忘れ物を届けよう、未来の人を過去で助けよう。

こうして、理を乱せば乱すほど、その連鎖が桁違いの重みとなって自分たちに跳ね返ってくる。

 
彼、もしくは彼女は、一時期、民を救った英雄となった。
彼女たちが英雄となって願ったのは、死という足かせから民を解放することだった。
しかし、その後、重大な反作用により苦しむこととなる。

世界から、死という概念が無くなってしまったんだ。
これは、健常な間は望ましいことなのかもしれないが、

つまり、全てがプラスティックのセカイに成るのだ。
例え、全生命力を消耗しきって、生きるのがただの苦しみでしかなくなったとしても
永遠に、安息の死が訪れない。

RPGのステータス画面で見れば。
死、からの回復など許されず
HP0、もしくは0.1のまま、常にプレイしなければならない。

そう、表層ではよかれと思ったことも、実際に芯の部分にまでいけば、それは呪いだったとわかる。

これは、後になって明らかになる。

 
その結果を目の当たりにした、元英雄である彼女たちの
なんとも悲痛な叫びよ….

 
今、この世は地獄。
氷山に閉じこもる彼女の嘆きは、
今生きている、全ての子たちの嘆きが、形になったもの。

願わくばすべての生命に、安息の地を。
望まれた生を終えた後、平等に安らかな死を…


お話をきく

お話をきく
どんどんきく

きいただけ、より明確にイメージできる。
ベストな選択は>よくわからない。でも、より核心に近づく。

たった一手だ。

本当に、究極には、風を撫でる動作だけで
木がそよぐような、あんなささやかな動きで

全てが事足りる。

 
どうして、自分が出来もしないのに動く必要があるだろう。

ただ、じっと聞く。
音の響きが、夢の中でこだまする。

 
何をみているの?
たくさんのビジョン、たくさんの幻影。
多くの者は幻に囚われ、空をかすめ、自ら目を回す。

ほら、じっとみて、ただじっとみて。
何者も、あなたを邪魔するものは居ないから。

囚われの常識や、表層の言葉は、まさに幻。
それらを無視して進んだ先に、本当の、芯なる音が響いている。

じっと耳を澄ませて。


真言

上辺の言葉は、無残にも通りすぎてくよ。
誰とも知らん、他人の言葉が響くかぇ?

少なくとも、その人の生き様と、何を想って書いてるのかというのを平行して
言葉の背景を通して読み取ろうとしない限り、その真意を読み解くことは出来ない。

 

どんなに有名な人の言葉も
周りの人が築いたイメージも、
今話題のあの人の記事も

その先入観は、まやかしにしかならない。
 
 
 
その人の生き様を見て、
実際にやってることを見て。
本当のその人の心情を感じて。

心で感じながら、言葉を読み解いていく。

 

そこに、真実が視える。


囲いの扉

鳥かご。囲いの扉。
それは家、私たちの家みたいな。

私たちの居た空間は、かつて「無限」に続いていた
人々は、そこに囲いを作り、無限との境界線を引いた。
有限の柵の中で、「未知」という不安を追い出し、自分だけの空間を持った。

しかし、無限という可能性を絶たれた囲いの中では、その中でしか生きることを許されない。
鳥かごに囚われた状態で、何も変わらない、何も変えられない退屈な日々を送る。
新しい風も吹かず、ただ、その中でのみ産まれ、生き、死ぬのだ。

かごの中の鳥。

 
大きな一つの街に境界線、ガラス張りの壁で外界との出入りを絶たれ、その先は何もない。
例えるなら、人間の作った文明、住処とは、そんな感じ。会社と家。囲いの中に居る。

限られた物質の中で、その現象を固定化したものだけを、時間の止まった美だけを、永遠の輝きとして、そこに閉じ込めようとした。
そこでは、死という醜い存在を許さない。時間の流れを、老いというものを、囲いの外にある未知の領域を、変わることを、本当の自由を、あれは、あれは望まないんだ。

 
かつての人間の一部が、自然界の創造物に対し、人間だけの力でそれ以上のモノを作れるはずだと挑戦し続けた。
自然と敵対したのは、自然の美に対する嫉妬からだというのも、或いは、万物との繋がりを絶たれたからだというのも。
あれはかつての楽園を自ら塗りつぶした後、全く違う方向性から、新たな楽園を築こうと奮闘した。
結果、先代たちの楽園を勝手に分解し、それを自分勝手に改悪して、自らジリ貧になってしまった。

 
無限への扉を閉ざした時点で。
自然と敵対し、内に閉じ困った時点で、
その運命は決まっていたも同然だった。

囲い込みを、囲いの扉をそろそろ開放するかね。
有限の世界は、これ以上創造しようがない。
どんなに素晴らしいモノも、固定化した時点で、
それ以上の創造物が生まれる可能性をすべて否定してしまう。

万物に、生と死を。等しく分け与えようか。
 
 
死するもの、かつての作品は、記憶となって無限の世界に灯り、いつでも書庫を開けることで、取り出すことが出来るものだから。
もういいんだよ。仮初の閉ざされた世界は、今にも死にたがっている。誰もの心の奥底から消えて無くなりたいと、苦しそうに、今。ほら。

 

簡単。囲いの扉を開けるだけでいいんだ。
 
 
家、ドアあけっぱなし
庭、広々、木々が周りを守護する。
天井、星。いっぱい