シェイクスピアの戯曲

小説とは、ただの文章の羅列であろうか?
と、少年アリスは問いただした。

 

その昔、日本では短歌という詠み唄が嗜まれていたという。
5:7:5のリズムに刻まれた節より、言葉の意味を超えた音の響きがこだまする。

 

ああ我よ
我という名の
月詠よ

波紋を揺らす
天地の舞に

現に出ずるは
夢の情景

 
彼は言った。

それは物語に在らず。
物語とは原初の音。
音のリズムが場を作る。

 
見よ、歴史的遺産として名高い彼の戯曲を。

 
その者は続けた。

ただの羅列が、心を踊らす名曲を成し得るや?
彼は知っていたのだ。言葉に宿る音の響きを。
その響きが合わさって、物語に生命を吹き込んだのだと。

 

あれは小説で在らず。
詩であり、抒情詩であり、物語なのだ。

 

ならば・・・

アリスは一拍、声を整える。

 

その詠み詩は、今ココに読み解くことが出来るものでしょうか?

 
彼は思い出す、古典の朗読を。
あれは歌だった。あのよろし。

韻を踏むメロディが脳裏に焼き付く。
あの響きが、鍵なのだ。


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