親愛なる夜へ

星たち、虫たち、草や木たち。

夜になると、この場所から見えるもの全てが、自分自身と繋がっている(何らかの関わりを持っている)ことを感じ取れる。

人工的な気配は自分以外に殆どない神聖な領域。

ここ10年、邪魔な物を悉く棄てることに意識を集中して生きた。
棄てるには覚悟が要る。

まず親。
次に友達。
お仕事に会社。
そして人間社会。

蓋を開ければなんてことない。
歴史上、始まりの時から存在しなかったものばかり。
人が生きるのに必要なものは、始まりの時に在るもので十分。

現代人並みの暮らしというものが、次第に無縁のものになりつつある。それでいい。

此処には相応しくない。
浪費の思惑だらけの、文明の利器は。

何かのノイズを絶つと、元に戻れる感覚に近づく。

。。

消えるべきもの、まだ手元にある。

かろうじて、ネットワークを繋いでたものも、そろそろお役御免な気がする。


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