時計の秒針の音

生命のリズムは、それぞれが違う周波数を宿している。
人にとって、時間とは相対的なもの。

太陽のリズムと月のリズムの間で、相対的に感じ取っている。

 
木のリズム、石のリズム、地のリズム。
気のリズム、意志のリズム、血のリズム。

相対的なものだ。

 
時計の秒針の音は、まるで結界だった。
すべての生命のリズムを、一定の規格にしばりつけるような感覚。

昼と夜では時間の流れ方が違うのに。
心臓の鼓動は、そのスピードを絶えず変化させてるのに。

秒針の音は、一定間隔で刻む。
まるで電磁波のようだった。

 
あそこだけ「時の流れ」が止まっている。
ゆらぎが無くなっている。

 
故に結界。

時計の秒針の音は、生命のリズムを狂わす結界。

夏至の明朝、私は時計の針を停止させた。


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