Linux mintの初期設定・日本語入力・他
(2019.11.02執筆 ⇒ 2025.01.16追記)
Linux mintのOSは、初期の設定方法がwindowsやmacとは違い「ターミナル(端末)」(Ctrl + Alt + Tで起動する)で文字列を打ち込んで...というのが主流なようです。(もちろん設定画面からも普通に行えます)
最新のパソコンに慣れてしまっていると、真っ黒な画面に文字を打ち込んで操作って。すご〜く原始的で、分かりづらくて、ハードルが高いように思えます。 しかし、特定の文字列をそのままコピーして貼り付けて!っていう操作を覚えると、マウスとは比較にならないほど操作が早いのです。
どなたでも使い慣れたら、徐々にターミナル操作に移行するかもしれません。 最初は不安かもしれませんが、ようは慣れが肝心というところでしょうか...私は今の時点で全く慣れなくて、早くもFilerとかエクスプローラーが恋しくなっておりますっl(そっちでも使えます)
Linux mint インストール後、初めにやること
「必須」- ファイアウォール機能のONを確認する
- 公式リポジトリ?を日本のサーバーに設定する
- 更新プログラムをアップデートする
- 標準の日本語フォント・日本語化パッケージをインストールする
- キーボードの日本語入力を確認する
- マルチメディア・コーデック等のインストール
「設定マネージャーから」
- システム ⇒ ウィンドウ操作の設定を最適化
- システム ⇒ デスクトップにゴミ箱を表示
- システム ⇒ スクリーンセーバーを完全無効に
「不要な多言語パッケージの削除」
- LibreOfficeの他言語ヘルプを削除
- システム(locale)の他言語パッケージを削除
「さらに余力が在れば」
- 標準フォルダ名をアルファベット表記に変更
- etc/fstabファイルに"noatime,"を追記
- etc/fstabファイルに「キャッシュRAMについて」を追記
- etc/sysctl.confファイルに"vm.swappiness = 0"を追記
- etc/systemd/journald.confファイルに"Storage = none"を追記
- home/.bashrcファイルに"HISTSIZE=0 HISTFILESIZE=0"を追記
「周辺機器が繋がらない場合」
- HDMI(外部スクリーン)のドライバー
- プリンターのドライバー
だいたい最低限やることの優先順位。
エキスパートの方はこちらを見るのもよろしいかも。他の専門的な所もカバーしてるので。取捨選択で。
⇒ http://baker-street.jugem.jp/?eid=107 [Linux Mint: インストール後やっておくべき 30 選]
⇒ https://sub-log.jp/2024/08/15/must-do-things-after-installing-linux-mint-22 Linux Mint 22 インストール後にやること
私のコラムでは、初心者の視点から手順を追っていこうかと思います。
私自身がLinux初めてだったので、覚え書きとしてメモ。
ファイアウォールの設定を有効にする
まず最初に、ファイアウォールの設定が有効になっているかどうか確認します。重要なセキュリティに関する部分。 もしかしたら初めはOFFになってるかもしれないので念のため。mintメニュー ⇒ システム設定 ⇒ ファイアウォールより

画面のとおりStatusを有効(緑)にして、"Incoming: Deny"、"Outgoing: Allow"となればOKです。
再起動後に有効化されるので、一度電源を切りましょう。
公式リポジトリ?を日本のサーバーに設定する
次に、公式リポジトリを日本のサーバーに変えた方が更新速度が出ると思います。(主なソフトウェアを、何処のサーバーからパッケージDLするか? といった設定)インターネットに接続して
mintメニュー ⇒ システム設定 ⇒(システム管理) ソフトウェアソース ⇒ 公式リポジトリで設定項目に行けます

だいたいこんな感じで。

ミラーサーバーは、その時の回線状況の良い所を選ぶとGoodかと思われます。
更新プログラムをアップデートする
公式リポジトリを設定した段階で、キャッシュが更新されました。このまま端末を起動(Ctrl + Alt + T)して...以下の文字列を選択してコピー(Ctrl + C)⇒ 端末(ターミナル)上で貼り付け(Ctrl +Shift + V) ⇒ ENTER押します!
sudo apt update
更新プログラムのキャッシュをDLするためのコード。sudo apt upgrade
その後、更新プログラムをインストールするためのコードです。(こちらは後からやっても◎)Windowsと違って、使う人が更新プログラムをインストールしない限り、自動更新はありません。

この状態でENTERを押すと、端末が動作を読み込んで反応を返します。
あ、パスワードの入力が求められましたので、インストール時に設定したパスワードを打ち込んでENTERします!

で、更新ファイルの確認が表示された後、〜〜〜だけのディスク使用量を消費するけど、いいかい??みたいな反応が返ってくる。 いいよ〜(。◕ ∀ ◕。)ノ ってことで「y」を押してENTER押します!

更新が始まりました。端末上に動作状況のレポートが走ります(' '*)
うん。見た目の表示を捨ててる分、更新に集中してる感じです。良いですね〜。
回線状況によっては時間かかると思います。のんびり待ちましょう。

インストール直前の状況。この表示が終わったら更新完了です!
え?終わったの?? っていうくらいあっさりした反応。そんなもんです(' '*)
標準の日本語フォント・日本語化パッケージをインストールする
日本語公式サイトが古い18.3.verのまま止まってるので、最新版のmintは日本語フォントと日本語化パッケージを手動でインストールしなければならない。やってみましょう。以下のコードをコピーして、端末に貼り付けてENTER、後は画面にしたがって進むだけです。sudo apt install fcitx-mozc language-pack-ja language-pack-gnome-ja fonts-takao-gothic fonts-takao-mincho fonts-takao-pgothic fonts-vlgothic fonts-ipafont-gothic fonts-ipafont-mincho libreoffice-l10n-ja libreoffice-help-ja firefox-locale-ja manpages-ja thunderbird-locale-ja kasumi poppler-data cmap-adobe-japan1
もしmint19.3以前の場合、こちらも追加でインストールします
sudo apt install fcitx-config-gtk mozc-utils-gui fcitx-anthy ibus-mozc ibus-anthy ibus-gtk ibus-gtk3 fcitx-frontend-qt5 fcitx-config-gtk2 fcitx-frontend-gtk2 fcitx-frontend-gtk3 fcitx-frontend-qt4 fcitx-frontend-qt5 libfcitx-qt0 libfcitx-qt5-1
こんな感じで。そろそろ慣れてくるでしょうか。うーむ。。。

※画像撮影の頃は旧バージョンのため、最新版(2022年)よりも文字列が長かった。
キーボードの日本語入力を確認する
ここまでの更新が完了したら、念のため再起動します。で、試しに検索バーで日本語を入力してみますか。打てた???
aaaaaaaaaaaaaaa
かなを切り替えようとしても、日本語入力できない。
これまで「カタカナひらがなローマ字」というキーで切り替えてました。
でも反応しない、どうやって日本語入力するの? といった壁にぶつかります。解決策!
Fcitx設定を開いて、かな入力切り替え方法を確認

スタートメニュー ⇒ 設定 ⇒ Fcitx設定を開きます

たぶん最初にこんな感じの画面が出てくる。 直接入力が日本語キーボードに対応。説明文通りですね。

上部の「全体の設定」タブを選択すると、こんな画面が表示されます。 入力メソッドのオンオフという項目、デフォルトでは"半角全角キー"で行うようになっている。理解しました。 ここの右側のボタンスペースをクリックして、キーボードの"カタカナひらがな/ローマ字"ボタンを押してみます。 「Hiraganakatakana」で登録されました(' '*) これでOK。設定画面を閉じる。

うん、キーボードの「カタカナひらがな/ローマ字」ボタンで、かな入力切り替えON/OFFができるようになりました。
無事に直接入力とひらがな入力の使い分けができましたね。おめでとう!
なお、Shiftキーで大文字小文字の切り替えもできてました。
フリーの日本語フォントを登録してみる(おまけ)
本題から逸れますが、一つおすすめのフォントを紹介します。「雑念の塊」さんと「chiphead」さんが作成されたという幻の日本語フォント。DLはリンク先のリンク先より探してみてください。⇒ 日本語フォント「しねきゃぷしょん」

DLした.ttfファイルを開くと、サンプル文字とインストールボタンがあるので押します。

システム設定 ⇒ (外観) ⇒ フォント選択で、例えばデスクトップの表示フォントをこちらに変えてみる。
ちなみにフォントをなるだけ統一する方が、メモリ使用量を節約できてお得です。

変更後、なんとも可愛らしいデザインの文字がお迎えしてくれました。ミントちゃんがさらに素敵に(' '*)
マルチメディア・コーデックのインストール
Mintのインストール時にスキップした場合、Mint Welcomeボードよりマルチメディアコーデックのインストールが可能です。
Welcome LinuxMint、他は飛ばし読みでもOK。
以上の設定が終わったら、インターネットを切断しても大丈夫です。
設定マネージャーからの操作
以降はLinux mint Xfce版の画面になります。他のバージョンだとやや設定箇所が異なるかも知れません。システム設定については、だいたいの意図を察してもらえたらOKです。
システム ⇒ ウィンドウマネージャーの設定を最適化
Linux mintのデスクトップ画面では、Altキーとマウスを操作したとき=ウィンドウ全体を動かせる標準設定になっています。 しかし、今後使う主要ソフトによっては「Alt」キーで操作する機能が使えなくなる恐れがある。(私の使ってる音楽制作ソフト「REAPER」もそうでした)なので、システム設定 ⇒ ウィンドウマネージャー詳細 ⇒ アクセシビリティタブにて「Alt」キーでのウィンドウ操作を、別のWindowsキー「Super」に変更することを強くおすすめします。

加えて、ウィンドウ ⇒ 配置タブから窓の開く位置を「マウスポインタの下」などに変更するといいかもしれません。ファイラーを複数開いた時に重ならなくて済むので。
参考 ⇒ Linux Mint 基本的な使い方
デスクトップにゴミ箱を表示する
システム設定 ⇒ デスクトップ ⇒ アイテムタブより。
デスクトップにゴミ箱が表示されることの安心感(' '*)
アイテムタブの下の方にスクロースバーがあるので、画像の辺りをスクロールしてみてください。
ゴミ箱やリムーバルディスクなどを表示できるチェックボックスを発見できます。
システム ⇒ 電源管理 ⇒ スクリーンセーバーを完全無効に
システム設定 ⇒ 電源管理 ⇒ セキュリティタブより、全ての項目をOFFに設定します。 スクリーンセーバーは無い方が使用メモリ節約できます。スリープ時の無駄を省いたほうが安心です。
標準ブラウザ「Firefox」の設定
Linux mintでは、標準のインターネットブラウザが「Firefox」に設定されています。Firefoxの検索ツールをGoogleに設定する

⇒ https://www.linuxmint.com/searchengines.php
上記のアドレスにFirefoxでアクセスします。このページの下の方に行くと、検索エンジンを切り替える項目を見つけることができると思います。
※追記(2021.01.20)。こちらの記事より、DuckDuckGoという検索エンジンとの併用が公平性に優れる。スマホの検索設定においても同様でしょう。
※追記(2022.05.24)。2021年からの非常事態に、ワクチン等の情報操作や検閲によって意図的に誤った情報がトップに表示され、一般市民が混乱に陥りました。Googleが国際的な薬害に加担していたことが明らかでした。ユーザーが一極集中すると、犯罪組織に買収されたときの危険度が高まる。今後も注意が必要です。
以上のことから、2023年現在はDuckDuckGoを併用して検索を行うことを推奨。知名度低いので。
集団でこういった「単一」に依存しない心構えが後々のリスク分散に役立つと思われます。
《Firefox ⇒ 設定 ⇒ 検索タブより》

Firefoxのその他設定
初期の設定ではプライバシーの問題がありますので、オプション画面から該当項目のチェックを外していきます。Firefoxのバージョンで項目も変わってくると思うので、自分で確認して設定してみてください。
不要ファイルの削除
システムの中に、多言語のヘルプ機能など不要パッケージが存在するので洗い出します。LibreOfficeの多言語ヘルプを削除する(約220Mb)
sudo apt remove --purge libreoffice-help-de libreoffice-help-es libreoffice-help-fr libreoffice-help-it libreoffice-help-pt libreoffice-help-pt-br libreoffice-help-ru libreoffice-help-zh-cn libreoffice-help-zh-tw libreoffice-l10n-de libreoffice-l10n-es libreoffice-l10n-fr libreoffice-l10n-it libreoffice-l10n-pt libreoffice-l10n-pt-br libreoffice-l10n-ru libreoffice-l10n-zh-cn libreoffice-l10n-zh-tw
↑英語と日本語を除いたLibreOfficeの言語パッケージが削除されます。
システムの多言語翻訳を削除する(約300Mb)
cd /usr/share/locale && ls -1 /usr/share/locale | egrep -v "^(default|en|ja|locale)" | xargs sudo rm -fr && sudo rm -fr en_GB en_AU en_CA jam && cd
合わせて500Mbくらいのディスク容量が空きます。
慣れた方向けのさらなる設定
以降は、ターミナルやシステムファイルを直接操作して、パフォーマンスを高めていきます。 一字一句間違わないよう、コピー&ペーストで、あせらず丁寧に入力してください。慣れた方は1瞬で終わります
ホームディレクトリ名をアルファベット表記に切り替える
ターミナルで操作する際に、ホームディレクトリ名をアルファベット表記にしておいた方が記述しやすいです。 ターミナルの操作は不慣れだと思いますが、始めのうちにホームディレクトリ名をアルファベット表記に切り替えておくと後々助かると思います。LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update

「Dont ask me again」にチェックを入れる(チェックを入れないと、PC起動の度に切り替え設定が出てくる)
その後「Update Names」を押せばOKです。
ファイルのアクセス日時を更新しない(noatime)に変更

これはSSDの寿命を伸ばしたり、システムの速度を速めるのに効果が有ります。
個人用のパソコンで使う場合、ほぼ間違いなくnoatimeを追記した方が良い。
Linuxシステムの(ルート)/etcディレクトリを右クリックからroot権限で開き
/etc/fstab
の場所のファイルをメモ帳等で編集、"errors=remount-ro"の記述の前に"noatime,"を追記します。
【記入例】
# / was on /dev/sda2 during installation
UUID=00000000000001111111111111 /
ext4 noatime,errors=remount-ro 0 1
詳しい解説
⇒ ディスクの読み込み速度を改善するには
⇒ ArchLinux fstabの解説
キャッシュをRAMに変更
同じく/etc/fstabの最後尾に、以下を追記します。
tmpfs /tmp tmpfs defaults,noatime 0 0
tmpfs /var/tmp tmpfs defaults,noatime 0 0
これでキャッシュがメモリに書き込まれるようになります。 速度改善とSSDの寿命を伸ばすのに効果的です。
詳しい解説
⇒ Ubuntuの高速化
etc/sysctl.confファイルに vm.swappiness = 0 を追記

これはメモリが限界に近づいたときの、どれくらいでハードディスクをメモリの役割としてスワップするか?の度合いを調整できるものです。スワップを行わないほうがパフォーマンスが良く、ハードディスクも長持ちします。
変更方法は同じく「ファイルシステム」のetcフォルダーをroot権限で開き sysctl.confを開いて1行追記するだけです。

上の画像のように、最後に次の1行をコピペで追加して、保存します。
vm.swappiness = 0
確認コマンド
cat /proc/sys/vm/swappiness
再起動するまでデフォルトの60が表示されます。
再起動すれば、0と表示されて有効になります。
これでスワップしにくくなります。
参考 ⇒ https://ondyrsjc.blog.jp/archives/1003611779.html
etc/systemd/journald.confファイルに Storage = none を追記

これは、詳細なシステムログをディスクに記録しないようにする記述。パフォーマンス上、古いPCには必須レベル。
個人的な普段遣いのパソコンであれば、永続的なログの記録は必要ないと思いますし、リソースの節約に繋がります。
/etc/etc/systemd/journald.confファイルをroot権限で開き、以下を追記。
Storage = none
これで詳細なシステムログによるディスクの圧迫を防ぐことが出来ます。
簡易なシステムログはrsyslog.serviceにより永続保存してるので、特に困ることはないと思います。不慣れな人なら尚更。
詳しい解説 ⇒ レッスン108.2 システムロギング
home/.bashrcファイルに HISTSIZE=0 HISTFILESIZE=0 を追記

/home/.bashrcファイルは、隠しファイルを表示させておくと見つかります。
これは、ターミナルの入力履歴をディスクに記録しないようにする記述です。 個人的なパソコンであればログは必要ないと思います。おそらく見ないので。
/home/.bashrcファイルに以下を追記します
HISTSIZE=0
HISTFILESIZE=0

これでターミナルログによる多少のディスクの圧迫を防ぐことが出来ます。
詳しい解説 ⇒ Bashでコマンド履歴を残さない方法
周辺機器周りの対策
ここからは周辺機器周りの対策。初期状態で問題なければ何もしなくて大丈夫です。外部スクリーン(HDMI)が認識しない時の対処方
sudo apt-get purge 'nvidia*'
sudo add-apt-repository ppa:graphics-drivers
sudo apt-get update
もしHDMIが機能しない場合、 ターミナルで上記のコマンドを入力すると、HDMI(外部スクリーン)が認識できるようになります。
参考 ⇒ https://qiita.com/peachft/items/0c4d3f25c33dcd0c1d86
プリンタが認識しない時の対処方
sudo apt install --install-recommends printer-driver-all
殆どは初期状態で繋がると思いますが、稀にプリンターを認識しない場合、プリンター電源の確認の後、プリンタードライバーを補完するコマンドをターミナルで実行します。インストール後、再起動してもう一度プリンターと接続してみてください。systemd...Linuxの起動時間を早くする方法
さらにsystemdの調整による起動時間の短縮は、別ページにまとめました。手間はかかりませんが、システム部分に触れる重要な項目なので。あせらずじっくり。
⇒ Linuxの起動時間を早くする方法
おわりに
以上で、Linux mintの初期設定は完了!最低限の機能が揃ったパソコンになりました。次は、Linuxのおすすめアプリを入れて、自分好みにカスタマイズしてみようと思います。
続き ⇒ Linux おすすめソフト・アプリ一覧