モバイルソーラー25Wの自立型PC + 省電力設定まとめ

(2020.03.17執筆)

先日、折りたたみ式ソーラーパネル(最大25W発電) + モバイルバッテリー(約75Wh分)をお迎えしました。
これまでの経過で、ノートPCでの音楽制作を、すべて自家発電分のみで賄うことが実現できました。

折りたたみ式ソーラーパネル(最大25W発電) +  モバイルバッテリー(約75Wh分)

筆者は将来的にオフグリッド環境を想定しているため、日常はあまり電気を必要とせず、せいぜいノートPCの電気くらいは自家で賄えるセッティングがとても重要でした。 より自然に近い環境は、健やかな心身状態でモノづくりする助けになってくれてます。あらゆる負担は軽減され、作品の質もより研ぎ澄まされていきそうです。

使用機材について


充電に対応するノートPCについて

購入したバッテリーからは家庭用コンセントやUSB充電に対応しますが、ノートパソコンはUSB3.1(Type-C)の端子で充電するのがおすすめ。ThinkPadはX270以降がTypeCに対応してる。もちろん近年のMacBookも。 交流プラグを介さず、発電した直流電源をダイレクトに充電できるためロスが極小で済みます。

suaoki 25W ソーラー充電 + モバイルバッテリーの使用感

この製品はコンパクトで持ち運びやすい。アウトドア用途だけでなく災害時の非常用電源として重宝すると思います。 サイズ的に、同社のsuaoki S170 ポータブル電源との組み合わせがちょうど良い感じです。(別途USB-TypeA to USB-TypeCの充電用ケーブルが一個必要)

折りたたみ式ソーラーパネル(最大25W発電)アウトドア

(畳んだ姿、およそB5サイズ)

あくまで「最大」25Wの発電量で、理論上は3時間でフル充電な気配ですが、
3月の晴れの日でS170バッテリー(約75Wh分)満杯まで丸一日かかる感じ。曇りの日だとMAXの1/4量くらいかな。 ノートPC(ThinkPad X270)の標準バッテリーは45Wh分なので、だいたい1.5回分の充電が確保されます。

なお2020年現在のソーラーシステムの中では、上位の発電効率だと思われます。



参考
ソーラーチャージャーのおすすめ人気ランキング14選
ソーラー充電器のおすすめ比較。災害時に便利な人気ソーラーチャージャーとは

25Wソーラー発電のみでノートPCは賄えるの?

この発電規模だと、1日最大でも75Wh分の電力でしかPCを動かせない計算です。 一般的に、ノートPCの消費電力は10〜25Wくらいと言われています。このままだと晴れた日でも3時間から7時間くらいが限界? 重たいソフトを使う分だけ電力を消費しますので注意。 当然ながら雨の日は充電できないので、工夫しないと十分な製作時間を確保できません。 なかなかシビアですね・・・

そこで如何にパソコンの余計な消費電力を抑えつつ、制作に必要な部分のみに電力を集中できるか?が重要になってきます。

ノートPCの省電力設定について

以下、ノートPCの余計な消費電力を抑える項目。

  1. ディスプレイの輝度を下げる(効果絶大)
  2. CPUクロック数(PCの処理性能)を省電力モードにする(効果大)
  3. 不要な接続を行わず、使わないオプション機能はoffにする
  4. 必要なときに、必要な機能をONにできるように!
  5. (覚書)パソコンは起動時に最も電力を消費する


ディスプレイの輝度を下げる(最重要)

ノートPCの消費電力の中でも、画面のバックライトは大きな割合を占めます。
バックライトを最小にする。それだけでバッテリーの持ちにかなりの差が出てくるでしょう。

電源管理のアイコンから画面の輝度を設定できる。もしくはキーボードから。
できる限り暗くすると、ライトの目に対する負担も軽減できて一石二鳥だと思われます。
昼間は充電しながら外仕事で、夕方以降に画面を暗くしての作業がバランス取れるかもしれません。

CPUクロック数(PCの処理性能)を省電力モードにする(重要)

通常時のPC性能は、抑えめに設定することをオススメします。省電力モード、あるいはバランスモード。Windowsの場合は電源管理のアイコンから設定できたはずです。
CPU処理(パソコンの処理動作)にもバッテリーは大きく関わってて、普段はちょうどよい性能に落としておいたほうが負担が少ないです。

本番の制作時など、必要なときだけCPU性能を最大限に切り替えるようにすると、色んな面で恩恵があると思います。

不要な接続を行わず、使わないオプション機能はoffにする

Bluetooth、wifi、インターネットLAN、内蔵カメラ、プリンタ、位置情報など。 普段必要なら良いのですが、訳もわからず常時ONというのは頂けません。不必要な機能はOFFにするべしです。待機電力はバカにできません。

記事まとめ ⇒ Windows10高速化 自分で行う初期設定・カスタマイズ


不要なアプリや電波は、心身に見えない緊張感を及ぼすのであんまりよろしくない。 できるならば、Bluetoothやwifiを始めとした無線機能は、普段はOFFを推奨したいところです。 もちろん重宝してる方にとっては、些細な事なので気にしなくても大丈夫です。

さて後は、スタートアップ時に自動で立ち上がる不要なアプリを無効にする等。 大変かもしれませんが、気づいた部分から改善していくと省電力性だけでなく、パソコンの基本性能を最大限に引き出せるようになると思います。

必要なときに、必要な機能をONにできるように!

製作時にどうしても重たいソフトを使う場面もでてくると思います。 省電力性を求めるのは、普段のバッテリーの駆動時間を伸ばすため。 いざという時のために集中してコストを充てられるよう、基本は節約するわけです。

必要に応じてCPUパフォーマンスを最大に切り替えられるよう、手順を覚えておきます。 反比例してバッテリーが早く消耗していくので、ソフト起動・パフォーマンス最大時に集中して制作する癖を身につけます。

結果として、研ぎ澄まされたいい作品に仕上がると良いですね!
一般的な設定項目は以上だと思います。

(覚書)パソコンは起動時に最も電力を消費する

覚え書きとして、パソコンは電源を入れてからシステム起動までが最も電力を消費するようです。
不要な再起動や、システム電源のON/OFFの多用は避けるのがベスト。

参考 ⇒ 90分以内の離席なら、スリープを使ったほうがお得です


こちらの記事によると、Windows7以降の基準で90分間使わないならシステム電源をOFF。 それよりも短い間隔で電源を再度ONにするなら、代わりにコンピューターをスリープ状態にしておくほうが良いという結論がでてます。

なるほどですねー。 確かに後の計測アプリで図ってみると、電源ON直後が消費電力の数値が高いです。 そしてシステム電源だけでなく何らかの制作ソフトでも、稼働時ではなくソフト起動時に一番電力を消費してます。

体感として起動時に消費する電力は、必要なメモリ容量に比例してる感じです。 一度メモリに読み込ませた後なら、以降はそこまで電力を消費するわけではないようですが。。。

まぁ近年のOSは、WindowsにしてもMacにしてもメモリ消費が大きい(約2GB)ですからね。
ここは注意しておきたいところです。

上級者向け:さらなる省電力性 Linux・ノートPCの構築

ということは、そもそもOSのシステム構成を最小にすれば起動時の電力を低めに抑えられるのでは?といった憶測ができます。そこで私はOSをLinuxに、最小のシステム構成に入れ替える選択をしました。
(注意点として以降の記事はもう万人向けではなくなります)

使い慣れたWinやMacを手放してまで省電力性を追求する利点は、おそらく一般的には無いです。 対応ソフトの問題が有りますし、WindowsソフトならWINEを使って動かすこともできますが、これも一筋縄ではいかない。

時代の流れかな。近年の有料ソフトは動作スペックの向上、より高品質を求める傾向にある。 商用レベルに近づけば近づくほど大容量、OSもそんな時代に合わせて変化していってます。コストは軽視されがち。 これらも省電力性をベースに使い分けられたら良いんですけどね。残念ながら現状はOSから咬み合っていません。

なので見切りをつけましょう。OSの概念を消去することで、より自分に合う形を実現できる例もある。
以降のカスタマイズは、OSをLinux基準に見ていきたいと思います。参考程度に。。。

導入手順

  1. Linux mint(Xfce版)のクリーンインストール
  2. 消費電力を計測する「powertop」の導入
  3. 最重要:「TLP」をインストール、省電力設定を自動化
  4. 画面バックライトの調整方法
  5. 各制作ソフトインストール・改良後の消費電力を計測

Linux mint(Xfce版)をインストールする

まず大事なデータはバックアップをとっておいてください。

数カ月前に私が初めて導入したLinuxOSは、Linux mintのCinnamon版でした。軽量のLinuxの中でもデスクトップ豪華版で、より一般向けのディストリビューションです。 しかし軽量性や省電力性では「Linux mint Xfce版」の方が優れており、Cinnamon版の約2/3くらいのメモリ容量で最初の画面を起動させることができます。 起動時間も私の環境でCinnamon版は22秒に対し、Xfce版は15秒程度。また通常時もXfce版のほうが消費電力が少ない(約-0.4Wから-1.5Wくらい)傾向にありました。

インストール手順 ⇒ WindowsパソコンにLinux OS mintをインストールしよう


参考リンクはCinnamon版で解説してますが、省電力性を優先するならばLinuxの中でもXfce版です。 違いは概ねデスクトップの外観だけ。それすらもカスタマイズすればXfce版でも謙遜無い仕上がりになります。

Linux mint Xfce版

(Linux mint 19.3 Xfce版 デスクトップ画面参考)


インストールが終わったら初期設定&最低限のアプリを導入。導入アプリについては後ほど補足します。
Linux mint 19 Cinnamonの初期設定・使い方
Linux おすすめソフト・アプリ一覧


Xfce版だと少し設定箇所が異なるかもしれませんが、だいたいの手順は一緒です。慣れてみてください。
とはいえ、初期設定には慣れないと1日仕事になると思います。心して取り掛かってください。

無事にインストールできたら今日はお疲れさま(' '*)

消費電力の計測「powetop」のインストール

休憩が終わったら、続いて導入アプリその1「powertop」
インターネット接続ON、ターミナル(端末)を開いて以下の文字列を打ち込んでENTER
sudo apt -y install powertop
すると簡単にインストールが完了します。

これは消費電力の計測機能です。実際にpowertopを起動してみましょう。
sudo powertop
最初期のだいたいの消費電力を覚えておくと、後の改善でどれほど変化するかが分かります。

最重要「TLP」をインストール 省電力設定の自動化

Linuxでは、このTLPを導入することでバッテリーの持ちが劇的に良くなります。
同じくターミナルから以下のコマンドでインストール完了。
sudo apt install tlp tlp-rdw

システムの再起動後、TLPが自動で有効になります。CPUの自動制御、待機中のオーディオ省エネ化など色々。
再びpowertopで計測すると、TLPがどれだけ省電力に効果的か実感できるでしょう。

TLPの設定は /etc/defalt/tlp 内部で細かく詰めることができますが、インストール初期値のままで十分に実用範囲です。
普段の内蔵電源の時は省電力モードで、外部のモバイルバッテリーを繋ぐと自動でCPUパフォーマンスモードに切り替わる。

またはUbuntuStudio Controlsを使えば 省電力 ⇔ CPUパフォーマンスモードを簡単に【切り替え】できます。

参考 ⇒ 「UbuntuStudio-audio」のパッケージの導入

画面バックライトの調整方法

通常バックライトは電源管理から調節が効きますが、最低値よりもさらに画面を暗くすることもできます。 Linux mintのXfce版の場合は「システム設定」から「起動アプリケーション」の設定で以下のことを行ってみてください。

設定 ⇒ 画面の輝度をさらに暗くする

補足:デスクトップ画面の基本カラーについて

また、デスクトップ画面をどんな色調にするかで僅かに消費電力が変化するようです。

参考リンク ⇒ 液晶ディスプレイの消費電力は壁紙の色が黒か白かで変わる?

白か黒か。一応試して計測・変更してみると良いかもしれません。 私はそこまで違いを感じませんでした。
TN方式は白がいい? こだわりが無ければ好きなデザインでOK。

改良後の消費電力計測

では、ターミナルからpowertopを起動して消費電力を見てみます。
sudo powertop

システム起動後のまっさらな状態で、何もせずに放置。 アイドル状態でこんな感じ。

PCアイドル状態の消費電力

画面最低輝度で2.3W...! おおよそ2.4W前後を行ったり来たりでした。 電源立ち上げて何もしないとか無いので、最低値の基準です。 ほとんど画面のバックライトに持って行かれてますね(' '*)


PC通常操作の消費電力

そこにタッチパッドやキーボード操作、テキストエディタ編集、ネットブラウジングなどを交えると、消費電力が4〜5Wを行ったり来たり。 標準で、消費電力は5Wと見ておきますか。


PC音楽再生時の消費電力

音楽をプレーヤーで再生する。 これもアイドル状態の再生でだいたい5W行かないくらいでした。


DAWで音声再生時の消費電力

私がメインで行う音楽制作ソフト「BitwigStudio3.1」で音楽を再生。 これもアイドル状態ならば、だいたい5Wくらい。 何らかのプロジェクト編集でタッチパッドやキーボード操作を交えるときは6Wくらいです。

DAW操作時の消費電力

つまりおおよそ6W前後が、メイン作業に必要な最低消費電力でした(CPUは省電力モード)


加えてシステム起動、BitwigStudioの立ち上げ、各トラックの音源のロードの時は瞬間的に上がる。 この時で最大7.5Wほどです。ほとんど容量を消費しないLogic9内蔵音源(手元にあった昔の)を引き継いで使ってるのもポイント。
(余談ですが、Logic音源はBitwigできちんと調整してあげると...化けます!


省電力モード時、DTMの電力コストは最大7.5W。
これで晴れの日にチャージされる75Wh分の電力で、10時間くらい制作できる見通しが立ちます。
雨の日とかもあるので、天気に左右されつつ。
まぁ曇りの日をベースに1日5時間かな。

DTMは1日5時間!(やりすぎ・・・
はい、電力に余裕がでてきました。晴れの日は瞬間的なCPUパフォーマンスモードも問題なさそう。
多少贅沢な音源も使えるということで、これくらいで十分に行けそうな気がします(' '*)♪


あとの工夫点は、作業時間の短縮プランを考えるとか、集中するとか。そんな感じか。
計測で実態が目に見えると、いろいろ改善しやすかったです。


くれぐれも参考程度に(o _ o。)