Windows11にLinux(mint)をインストールする(実践編)

(2025.1.02執筆)

Linux Mint デスクトップ

前回は、初めての方向けに ⇒ Linuxを導入したパソコンがどういったものか お手紙を残しました。

ここからは導入編、Windows11にLinuxをインストールする手順を記します。なお、Windows10以下も同じ手順で出来ます。

Linux OS mintのインストールに必要なもの

  • Windowsパソコン(メモリ4GB以上推奨)⇒ 中古で筆者と同じ型番を探してみる?
  • 空いたUSBメモリ(4GB以上)
  • 「Linux OS Mint」のisoファイル(インターネット上から入手)
  • USBにisoを焼きこむソフト「Rufus」(インターネット上から入手)

インストール手順

  1. 「Linux OS Mint」のisoファイルを入手
  2. USBにisoを焼きこむソフト「Rufus」を入手
  3. 「Rufus」を使ってUSB起動ディスクを作成
  4. Windowsの高速スタートアップを無効化
  5. PCの再起動からBIOS(ロゴ表示などの部分)の設定画面へ。PC立ち上げ時の設定をいくつか調整
  6. BIOS画面からUSB起動を選択してLinux OS Mintのインストーラーを起動させる

  • 手順にしたがってLinux OS Mintをインストールする
  • 再起動して、動作確認


  • このような手順でLinuxの導入ができます。順に解説を入れましょう。

    「Linux OS Mint」のisoファイルを入手

    はじめに、Linux mintのOSデータをこちらのページからDLします。無償です。

    https://www.linuxmint.com/download_all.php


    一般的には最新版を選ぶと間違いないと思いますが、最新版(22)の一つ前(21.3)の方が安定するかもしれません。
    ダウンロードリンクに、どの国のミラーサイトを使うかでDLするまでの時間が上下します。

    追記:(どのエディションをDLするのか?)

    Linux mintには、Cinnamon版、MATE版、Xfce版の3種類のエディションが有ります。初めての方にはCinnamon版が推奨されます。ツールバーの設定が分かりやすく扱いやすいです。「Xfce版」だと動作の軽快性、カスタマイズ性、省電力性に優れることから、筆者はLinux mint Xfce版がベースです。 最終的に、より省電力性や制作パフォーマンスを優先するならXfce版がオススメです。

    USBにisoを焼きこむソフト「Rufus」を入手

    DLしたLinuxOSデータを、OS起動ディスクとしてUSBメモリに焼き込むソフト。

    こちらのページからDLできます ⇒ https://rufus.ie/


    最新版を入手しましょう。

    「Rufus」を使ってUSBのLinux OSインストーラーを作成

    1. Windowsパソコンに空のUSBメモリを刺した状態でRufusを起動させる
    2. Linux mintのisoファイルを選択
    3. 書き込みスタート!


    USBインストーラーの作成1

    このような画面でスタートボタンを押しますと。

    USBインストーラーの作成2

    追加で必要なファイルをDLしなければなりません。
    インターネットに接続して「はい」を選びます。

    USBインストーラーの作成3

    推奨の項目を選びます。

    USBインストーラーの作成4

    空のUSBを刺してれば、データの上書きをしてOK。
    そうでない場合、データが消えて大丈夫なUSBかどうか、今一度確認してから「OK」を押します。


    USBインストーラーの作成5

    無事にUSBメモリにLinuxのインストールメディアが作成できたようです。

    Windowsの高速スタートアップ無効化

    次に、Windowsの高速スタートアップの無効化を行います。
    Windows11は、通常のシャットダウン時に完全に電源がオフになりません。
    このことが後のエラーの元なので、高速スタートアップを無効化します。

    方法1

    1. WindowsキーとRキーを同時に押し「ファイル名を指定して実行」を開く
    2. 「powercfg.cpl」と入力してOKをクリックする
    3. 左メニューの「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
    4. 「現在利用可能ではない設定に変更します」をクリック
    5. 下に現れたシャットダウン設定にある「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
    6. 下の「変更を保存」をクリック


    ...画面動作だと、長い・・・。

    方法2

    1. スタートメニューを右クリックし「Windows ターミナル(管理者)」を開く
    2. 黒い画面が出たら、以下のコマンドを記述する
    3. powercfg /h off
    4. Enterキーを押して、実行


    Windowsターミナルで、コマンドを1行記述するだけで高速スタートアップを無効化することもできます。


    これで次のBIOSの変更に移ることが出来ます。

    BIOSモードに入ってUSB起動の下準備をする

    パソコンを起動した時に、USBメモリからプログラムを起動をする!というのが不慣れかもしれません。
    Windows11以降は、スタートアップ時の起動プログラムに制限が掛かっており、そのままではUSBからのプログラム起動ができません。Win10までは問題なかったのですが、初期画面のBIOS(OS起動プログラムの制御)の以下の設定を見直す行程が必要になりました。

    • BIOS自動更新(Windows UEFI Firmware Update)を無効化
    • セキュアブート(Secure Boot)を無効化
    • 起動の優先順位を「1:USB HDD、2:ハードディスク」に設定
    • "Legacy USB Saport"をEnableに設定



    一例として、ThinkPad x270(Lenovo製ノートパソコン)での場合を見てみます。
    Windowsを再起動した直後のロゴ画面にて、ENTERキーを押します。

    (押すキーは、パソコンのメーカーによって異なります。F2だったりF1だったりDeleteキーだったり。「メーカー名 パソコン Bios」で検索してみてください)


    Lenovoロゴ



    すると見慣れないメニューが表示される。 ここではBIOSの設定を修正するため「F1キー」を押します。

    メニュー



    ↓こういったのがBIOS設定画面です。見慣れない方は、気もちを強く持ってください。分からないものに対する恐怖を払拭する良い機会です。

    まず[←][→]キーでタブメニューを「Security」に合わせ、[↓]キーで各項目をチェックしていきます。
    手始めに「UEFI BIOS Update Option」に項目を合わせ、「Enter」キーを押してみます。

    securityタブ



    次の画面で[↓]キーでWindows UEFI Firmware Updateの項目まで行き、[Enter]キーで項目を「Disabled」に変更できます。

    securityタブUpdate

    この変更はBIOSの自動更新を防ぐための設定です。Linux側にとって「Windows=マルウェア」という視点を理解するならば、外すほうが健全に作動できるものと判断されます。自動更新の許可はリスク以外の何物でもありません。


    [Esc]キーで、一つ前の選択画面に戻ります。
    続いて同じSecurityタブの「Secure Boot」の項目を選び[Enter]を押すと次の確認画面に移ります。

    Secure Boot


    「Secure Boot」がdisableになっていることを確認し、そうでなければdisableに変更します。

    Secure Boot disable

    この確認でLinux起動ディスクがほぼ稼働できるようになります。



    では、もう少し頑張ってください。
    続いて[←][→]キーで「StartUp」タブに合わせ、Boot設定を確認します。

    StartUp

    「UEFI/Legacy Boot」の項目が↓のように、両方のサポートが有効になってることを確認し、そうでなければ[Enter]キーで設定を「Both」に変更します。 他の項目なども、私は以下のようにしてました。これが最適かは分かりません。

    Start Linux Mint

    次が最後です。上記の画像のように→Bootに項目を合わせて[Enter]を押し、起動プログラムの優先順位に変更を加えればOKです。 次のような項目が確認できると思います。↓は順番を変更した際の画像です。

    Start Linux Mint

    優先順位変更のための、キーの操作方法は右側に説明でています。
    「ー」キーで選んでる項目の優先順位が1つ下がります。
    USB HDDを第一優先に持っていき、メインのハードディスクを2番めに持っていきます。

    なお、Windows Boot Managerは最後尾か、リストから外しておきたいのですが。 残念ながら変更を加えた後にWindowsを起動させてしまうと、Windows Boot Managerが第一優先に復活してしまうバグを孕んでます。
    おそらく4番めか5番め辺りでおとなしくさせておくのが無難です。

    同じハードディスクの中にWinを同居させていると織り合わせが悪いので、この後は完全にWindowsを切り離してLinuxをインストールする運用が楽です。



    全ての設定が終わったら[F10]キーを押して、設定を保存して終了します。
    再起動するので、その前にLinuxの起動USBメモリを挿しておくことを推奨します。

    Save and Exit

    BIOS設定は一段落です。おつかれさま!!
    ついでにUSB起動までやっちゃいましょう。
    特に問題がなければ、USBを挿して再起動後にUSB起動ディスクが立ち上がります。



    BIOS設定後に、もしWindows Boot Manageの立ち上がる懸念が在る場合は。 BIOS設定を抜けて再起動した直後のロゴ画面にて、ENTERキーを押します。

    Lenovoロゴ



    次にUSBデバイスから起動を行うため「F12キー」を押します。

    メニュー


    USBデバイスから起動したいので「USB HDD」にカーソルを合わせて[Enter]を押します

    メニュー


    問題なければ、Linux mintのインストーラー選択画面になります。
    「Start Linux mint」のまま[Enter]キーで大丈夫です。
    Linux Mint

    無事にUSBから起動できました。
    Linux Mint



    参考:USBから起動できない場合のBIOSチェック項目
    注意点2 UEFI BIOSの設定方法

    手順にしたがってLinux Mintをインストールする

    山場は超えました。この画面がでたら、後はインストールするだけです。 インストーラーのアイコンをダブルクリックして、PC本体にLinux Mintをインストールします。

    言語の選択

    言語は、日本語。


    キーボード配列

    キーボード配列も日本語で。


    追加データのDL

    無線は後。


    追加データのDL

    追加データも後からインストールできるので大丈夫です。



    Windowsを削除

    ディスクを完全に削除して、Linuxをインストールします。



    パーティション

    パーティションの指定は、このままでOKです。



    Linux Mint ユーザー名

    後はユーザー名とかパスワードとか入力して、インストールに進む感じです。
    パスワードは、システム操作とかアップデート時とか新しいアプリを入れるときに頻繁に入力します。覚えやすいもので。

    「自動ログイン」にはチェックを入れたほうが、起動までの手間が少なくなっていいと思います。

    インストール開始後しばらく待って、無事に終わったら再起動されてください。



    Linux Mint デスクトップ

    改めて新しいOS Linux Mintとご対面(' '*)!

    おめでとうございます!
    とても可愛らしいOSが来てくれました*:・'゚☆


    まぁ、このままでは操作や設定が何が何だか、意味不明と思われるので、
    次の記事で初期設定の流れを追って、mintの操作感覚を身に着けていきたいと思います。

    続き ⇒ Linux mintの初期設定・使い方