巡る箱庭✨始まりの書

1−1「始まりの書:まえがき

BGM:♪記憶の書

 

一つの物語には、その舞台を創り上げる背景に、色とりどりの花たちが思い思いに咲き誇ることだろう。

冒頭のページに触れる。此れからどんな(はなし)が紡がれていくのか。
男は、夢の中で新たな書の誕生を心待ちにしていた。

この書斎では、過去に綴られた記録の数々が、幾層にも重なって眠っている。 これらの記録は、時空を隔てることで何時でも内容を読みとることができる。 どんなに時代を経ても、身体が遠くに離れても、未来永劫あらゆる存在との繋がりを覚えていることだろう。

記された無数の物語は、今も紡がれ続けているのだ。
各々の魂と肉体に、流れる水に、この大地に、そして星の瞬きに。



人知れず山奥にひっそりと暮らす男。
彼もまた、自分の生きた証を、想いを、この地に遺したいと願った。
自身の物語を、忘れていたはずの何かを、その時代の文字とは別に、大地の"畝"を通じて描き始める。それは溝の形であり。清流、水や風の通り道になった。

時代の転換期、太陽系の惑星直列から5年余りの月日が流れた夏。


土地の記憶が、虫や、樹々を通じて、少しずつ鮮明に描き出されていく。
古ぼけた白紙のページが捲られ(○ー○~S)小さな音の波形が、無数に織り成されていく。

物語は、読み進まれていく。その男の生きた記録として。


そして男は年を重ね、次第に、この大地を受け継ぐであろう子どもたちへの言葉も含まれるようになった。

「こんにちは!」


祖の響きは、今日を生きる存在への贈り物。
続く言葉を子どもたちが見聞きし、そのまた子どもたちの、子どもの子どもの、ずっと未来の子どもたちへの「大地の種」を遺して、一族の物語は受け継がれていくだろうと思う。


・゜*・゜゜・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*!!!!


「ほら、おいで。此処から私と、お前さん自身の成し得る魂の旋律を、物語と音楽にしていこう。
 魂が永遠を生きるに相応しい、生命の旅路を、己の理想郷を、未来へ、存分に、想いのままに」


男は、静かに目を閉じた。

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