フィルターのオーバードライブ機能でアタックを強調

弓に掛かるプレッシャーを音質の変化で現す

前回のレガートを元に加工したアクセント音は何か足りない。弓を擦る力が[強]→[弱]へと大きく変化しているのに、レガートを元にしたサンプル音では音質が一定なままだからです。こう、音の厚みも[力強い響き]からスゥっと[細く抜ける]感覚が欲しいわけですよ。

そんなとき、EXS24の内部にあるパラメーターが思い浮かびます。 音質の変化をさせる部分は[フィルター]機能にあたる部分。 そのフィルター機能の中でも、音の厚みを加減するのは[オーバードライブ]に割り当てられている。

EXS24 フィルターのオーバードライブ機能

フィルター全般については次項に詳細を解析するとして、今回使うのは[オーバードライブ]です! あ、フィルター機能は最初[off]になってるから、手始めに[on]にして値を調整していきますよ〜。

オーバードライブの強弱を比較する

ではでは、オーバードライブ[0]の音と、[Max]の音を聴き比べてみます。

オーバードライブ0



オーバードライブMAX


オーバードライブ[Max]の音が力強くなってるの感じるでしょうか? さながら、ベロシティ[70]とベロシティ[100]の音質の差に近いものがあると思えます。音量パラメータは変わってないのにこの違い。

実際に演奏するイメージをしてみると、オーバードライブ掛かったほうがより強く弦を弾いているようにも感じます。

で、このオーバードライブ効果を、アタックの瞬間だけに掛ける。
すると、アタックの弓の力強さの加減が音に反映できてくるのです。

エンベローブ1[ENV1]を活用しよう

[ENV2]は音量に関わるものでしたが、空白の[ENV1]は何に使うのか?
[ENV1]は、今回の「アタック部分にだけ効果を掛ける」みたいな時に役立つのですよ。

ENV1

ENV1ディケイタイム
[ENV1]のDの部分だけ、少し上げてあげます。ディケイタイム...効果の持続時間みたいなものですね。(アクセント奏法で前回[ENV2]のディケイを400msくらいに設定してたのに合わせ、[ENV1]側のDは500msとややディレイを掛けてみる)

ENV1とオーバードライブをリンク
[ENV1]の動きに合わせ、オーバードライブを+100%いっぱいに紐付けます!

イメージとしては、音の立ち上がりで[ENV1]が+100%から始まり、ディケイタイムに割り当てたミリ秒[ms]の間で効果+0%まで減衰する。 [オーバードライブ]の効果は、紐づけされた[ENV1]の動きに沿って元々の[値]から増幅され、再び戻ります。

アクセントの聴き比べ

音量注意です。特にヘッドホンの方。




紐付けした方としてない方。どっちがどっちか判る>?
分かったなら、この設定の甲斐あった。
分からんなら、うちの自己満足で終わりじゃ(' '*)

あぁ、アタック音の衝撃が強いのが設定した方です(上です)
音量というよりは音の密度...アクセントを掛ける弓の力強い響きが宿り、微かに臨場感がでました。

ENV1が動作してるかの確認

違いの分かりづらい場合は、オーバードライブじゃなくてピッチに反映させてみる。

ENV1とピッチをリンク ENV1ディケイタイム

ENV1のディケイタイムが確かに紐づけされてることが判りますね。
弓に掛かるプレッシャー加減が、よ〜くイメージできますわ〜。
これはこれで面白い効果音(' '*)

奏法グループ毎にENV1を設定

EXS24サンプラーでは、グループ(奏法)別に、それぞれ[ENV1]の値を設定することができます。 アタックのオーバードライブが必要な部分だけ、エンベローブ1オフセット[ENV1]のD[ディケイタイム]の値を加減します。

エンベローブ1オフセット
エンベローブ1オフセットを表示させて修正。左側のこのような感じで。


EXS24バイオリン設定
表側の設定はこんなふうです。[ENV1]の元々の値は0なので、修正値そのまま反映されます。


オーバードライブをCtrl#4で調節
ポイントはこの紐付け。出だしのオーバードライブ効果の度合いを[Ctrl#4]の値で調整する設定。わざわざ[Ctrl#4]を介さず固定値の設定でもいいけれど。調整できるようにしてみた。

レガートサンプルを元にカスタマイズした奏法は元々[Ctrl#4]の値で割り当ててますが

  • レガート........[Ctrl#4]=0〜4
  • デタッシェ......[Ctrl#4]=5〜9
  • テヌート.......[Ctrl#4]=10〜19
  • アクセント.......[Ctrl#4]=20〜29

アタックのオーバードライブ効果のより強い順に

アクセント >> テヌート >>> デタッシェ >>> レガート


と設定するので[Ctrl#4]の数値がそのまま利用できるわけです。
とはいっても[29/MAX127]と、上限値で設定しても効果の反映が[約1/4]しかできないのが問題で、こうして重ねがけすることでブースト効果をそこそこ反映できるようにしてます。

終わりに

今回かなり細かい部分だし、そもそもサンプル音源が満足に揃ってれば、大本の音源そのままを使う方がいい。スタッカート音源はプリセットにあるから調整する必要なかったし、アクセントもあればなぁ...

しかし、アタック部分に効果を掛ける方法は、他にも何所かで応用できそうです。

とりあえず、バイオリン音源の調整はここまでとしときます!
Logicのプリセットからどれほどの音が出来あがるかは、先々のお楽しみに。
(執筆日は2017.12.22)

次回こそは、フィルタの活用法に迫ってみようと思います。
あ、先にバイオリンの即興曲でも作るかな。