1つの音には無数の倍音が含まれる

(2022.4.04執筆)


音の響きを視覚化するのに、パソコンは便利な道具です。
各周波数帯がどれくらい響いてるのかをグラフで確認できるソフトがDAWにあります。EQというやつ。

このグラフを用いて、試しにピアノの音を一つ鳴らしてみました。



びよーん。

ギザギザの波形でぽわーん。


で、突出してる周波数帯がいくつかある。
今回のピアノの基音は337.5hzにしてるので、最初に突出するのが337.5hz帯。

続いて

第2倍音(✕2)...675Hz
第3倍音(✕3)...1012.5Hz
第4倍音(✕4)...1350Hz
第5倍音(✕5)...1687.5Hz
第6倍音(✕6)...2025Hz
第7倍音(✕7)...2362.5Hz
第8倍音(✕8)...2700Hz
第9倍音(✕9)...3037.5Hz
第10倍音(✕10)...3375Hz
第11倍音(✕11)...3712.5Hz
第12倍音(✕12)...4050Hz
第13倍音(✕13)...4387.5Hz

。。。

というように、延々と倍音が続いていきます。
何かの音を鳴らすと、いくつもの倍音を含んで伝わるようです。


違う音程同士でも、これらの倍音が重なる位置で鍵盤を鳴らすと、綺麗に共鳴して響き合います。

音が綺麗に響き合うというのは、倍音の重なりを意識すると分かりやすい。
自然界の音も、自ずとそのように響き合っているようです。
基本の周期に合わせて音が鳴っているのです。

周波数を2倍にした音=1オクターブ上がる

では基音から2倍音となる組み合わせについて紐解いていきます。

倍音成分の中でも特に「2」の倍数が多く含まれるので、音の重なりを綺麗に響かせる上で「オクターブ」の考え方が生まれたように感じました。
ピアノの鍵盤は、1オクターブという単位の中に音程12種類、そして周波数が2倍になると1オクターブ上がる、という設計になってる。

例えば、現代音楽的に基準となる「440Hz」の"ラ"の音に対し、1オクターブ上の「ラ」は880Hzに定められます。

(例)
基音 440Hz
2倍 880Hz...1オクターブ上
4倍 1760Hz...2オクターブ上
8倍 3520Hz...3オクターブ上
16倍 7040Hz...4オクターブ上

。。。


このとき各々の「ラ」を同時に鳴らすと、ぴったり綺麗に音が重なって聞こえることが分かります。
基音の「ラ」の性質が、ほぼそのままの響きで高音域に受け継がれていく流れが見えました。
オクターブ毎に2倍音ずつ上って、その間をどう振り分けるかが、鍵盤を調律する一つの基準になってるんですね。


今回、サンプルに337.5hzの音を用いたのは。こういった理由から導き出された。
1/86400Hzという1日の太陽の音程を、人間が聞き取りやすい周波数帯になるまで2倍4倍8倍16倍32倍〜〜〜
として、ちょうどいい音高に落ち着いた所が337.5hzでした。

1日の太陽のサイクルと同期する音として、基音となるHzを「337.5Hz」に合わせた所から私の調律は再現されます。


「337.5Hz」は一般的な平均律でいったところの「ミ」と「ファ」の間らへんの音程です。

1オクターブ内の音程比率について

違う音同士でも、それぞれの倍音が重なる位置で鍵盤を鳴らすと、綺麗に共鳴して響き合います。
なので例えば純正律とかなら、倍音同士の音の重なりがぴったり一致するような意識で調律します。


(再掲)
第2倍音(✕2)...675Hz
第3倍音(✕3)...1012.5Hz
第4倍音(✕4)...1350Hz
第5倍音(✕5)...1687.5Hz
第6倍音(✕6)...2025Hz
第7倍音(✕7)...2362.5Hz
第8倍音(✕8)...2700Hz
第9倍音(✕9)...3037.5Hz
第10倍音(✕10)...3375Hz
第11倍音(✕11)...3712.5Hz
第12倍音(✕12)...4050Hz
第13倍音(✕13)...4387.5Hz

。。。


この中の2倍、4倍、8倍音はオクターブ越しになるので、その次の3倍音と5倍音に着目します。

675Hzの音と1012.5Hzの音を同時に鳴らせるようにする。
675Hzの音と1687.5Hzの音を同時に鳴らせるようにする。

といった感じで、12個の鍵盤のどれかに音を当てはめていきます。
オクターブ上の「ファ」=1350hzのとき、1012.5hzは「ド」に近く、1687.5Hzは「ラ」に近い音程です。

すると「ド:ファ:ラ」の和音の周波数比率が"3:4:5"という美しい響きになります。


基音に対して3とか4とか5とかの比率が導き出されるのは、各倍音の重なりを意識してのことです。
古典調律では、このような意識のもとで各音程の比率が考案されました。


和音の組み合わせは掛け算。


しかし、この続きを進めるに応って、鍵盤12音程のみで全てを繋ぎ合わせることは不可能、なことに行き着く。
此処からが調律の難しいところで、どのように音程比率を落とし込むか。は、各々の目的で変わってくるのです。

あとがきとこれから

倍音成分まで見ると色々見えてくるけど、数字は動かないから、目安の域を超えない。
自然界の音は生きているものたちだから、それぞれがタイミングを合わせようと言う意識が働く。

この決定的な違いを、意識しつつ。
ひとまず自然律に近づけるような音階の調整に入ってみようと思います。