見えてくることはない、唯呆然と。 光が、いくつもの光が、ぼんやりと浮かんで。 他には何も見えなくて……。 ゆらゆらと視界に入ってくるものを、ただ眺めた。 時折、耳元で風の囁く声が聞こえる。 何処からともなくやって来て、瞬く間に去って行く音。 静寂の中、何かの気配を乗せて、澄んだ空色に溶けだした…… その流れに身を任せて。 笛の音を微かに震わせた。 闇の世界を、様々な音色で彩るかのように。 新しい世界 だけどもちょっぴり懐かしい。 ココは巡る箱庭。