Linux mintでWindowsアプリを使う「WineHQ」の導入方法

(2019.11.20執筆)

「Wine」というソフトを使うことで、LinuxでもWindowsソフトを動かすことができます。
Mac OS使ってる人には馴染みのある言葉かも。OSの境目を超えてWindowsアプリを動かすために開発されたのが「Wine」です。そしてLinux運用での開発が盛んなようです。

WineHQ解説ページ

Wineはソフトウェア管理からもインストールできそうですが、バージョンが古く安定動作が見込めないため、下記の公式サイト解説より、端末(ターミナル)から最新版をダウンロード...インストールする必要があります。

WineHQ最新版の導入方法(wiki.winehq)


英語表記で躊躇する人もいるかな。なので、こちらでも流れを追っていこうと思います。
ただ、年月と共にこのページの内容が古くなる恐れもある。最新版を安全にDLするためにも、上記のURLの手順を再優先でお願いします。

Wine最新版インストール手順

  • 端末を起動
  • 特定の文字列を入力
  • インストール完了


では、入力コードの手順を詳しく見ていきますか(' '*)

端末への入力コードの流れ

WineHQ キー

sudo dpkg --add-architecture i386
まず上のコードを打ち込んでENTER。合わせてパスワードも。


WineHQ パッケージ

wget -nc https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key
sudo apt-key add winehq.key
次の2行はこちら。


WineHQ バージョンに合わせて

sudo apt-add-repository 'deb https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/ bionic main'
次の行は、使ってるLinuxのバージョンに合わせて。こちらLinux mint19.2なので、mint19に対応するコードを入力しました。


WineHQ パッケージ更新

sudo apt update
パッケージをアップデート。


WineHQ stableインストール

sudo apt install --install-recommends winehq-stable
とうとうインストールです! winehq-stableは安定版らしく、筆者は最初に試しました。

WineHQ stableインストール確認

ディスク使用量の確認。"Y"を押してENTERします。インストールが始まります。

Wine-devel(開発版)以降をインストールする場合

しかし安定版では動かないソフトも有る。devel開発版を再インストールする必要があるかもしれない。
sudo apt install --install-recommends winehq-devel

開発版ですら動かない場合はstaging版...Linuxユーザーの大半がstaging版を使ってらっしゃいます。
sudo apt install --install-recommends winehq-staging

対応アプリが多くて安定してるので、入れるならstaging版が最もおすすめでしょう。

なおLinux mint19では、Wine-devel以降の導入に必要なものが入っておらず、インストール出来ない場合があります。 そんなときは割り込みコード
sudo add-apt-repository -y ppa:cybermax-dexter/sdl2-backport
sudo apt update
これを入力した後に、wine-devel以降のインストールコマンドを試してみてください。


参考 ⇒ Linux Mint 19.x : Wine の導入


合わせてWinetricksもインストールする

Winetricks

cd "${HOME}/Downloads"
wget https://raw.githubusercontent.com/Winetricks/winetricks/master/src/winetricks
chmod +x winetricks
sudo mv winetricks /usr/local/bin
wineの追加パッケージをDLできる「winetricks」もインストールしておきます。
各種ソフトがうまく動かない場合、winetricksの各コマンドで動作を調整できるようになります。

Winetricks活用例 ⇒ Wineがアプリケーションエラーを起こしたときに、Winetricksを使って正常に起動させる(Kontakt音源)

インストール完了したら再起動。おつかれさま。

Wineの初期設定

続いてWineの初期設定です。

インストールしたWineのバージョンを確認する

wine --version
端末で、インストールしたWineのバージョンを確認できます。Wine導入が成功してるかどうかも分かります(' '*)

winecfgコマンドで初期設定開始

Wine初期設定

winecfg
端末で winecfg と入力してENTERを押すと、wineの初期設定が始まる、何か必要なパッケージをDLするようなダイアログが出ます。複数回。ネットに繋いでそれぞれインストールします。


設定画面が無事に出たら、Wineの初期設定が完了しております。おつかれさまでした!

Wine設定画面


不可視ファイルを表示できるようにして[Homeディレクトリ]を確認すると[.wine]というフォルダの中に仮想Windowsのシステムが存在してることが伺えます。

Wine不可視ファイル


.wineはHomeディレクトリ以下に作られるので、前項のLinuxシステムには含まれない。つまりシステムバックアップから.wineフォルダは除外されるので、もし.wineもバックアップを取るならば外付けUSBか何かに個別ファイルとして保存しておく必要があるでしょう。 逆にWineを初期化する場合は、この.wineフォルダごと削除して、もう一度ターミナルから「winedfg」コマンドを実行すると良いです。初期設定から新たに.wineフォルダが作られます。

これで.exeのようなWindowsのアプリを普通に動かすことができるはずです。

試しに.exeを起動してみる

ダブルクリックで、普通に.exeを起動できると思います。
もしくは右クリックから「Wine Windowsプログラムローダーで開く」を選ぶ。すると起動します。

.exeファイル起動


インストーラー.exeを実行させた場合は、ホーム/.wine/drive_c/以下に新たなアプリがインストールされると思います。

.exeインストール


後はWindowsパソコンと同じ感覚で、お気に入りの.exeも使い倒してみましょう(' '*)

ちなみにアプリによっては。まだ安定版の.wineには対応しない場合がありますので、wineHQの更新を待つか、devel版やstaging版を使うか、それでも無理な場合はディスクに残したwindows本体で使うか。かな。一応。

Wineを再インストールする

Wineの最新版がリリースされたり、devel版やstaging版を試してみたい場合、Wineを一度アンインストールしなければなりません。

既存のwine + winetricksをアンインストールする方法

Wineを完全にアンインストールする。端末で、以下のコードを入力。

sudo apt purge wine-*
sudo apt purge winetricks
sudo apt autoremove
sudo apt autoclean

後は冒頭に戻って、再びWineを一からインストールすればOKです。

なお、ホームディレクトリにある.wineフォルダはそのまま残ります。
.wineも初期化する必要がある場合は、手動で削除すると良い。


参考記事
Linux Mint 19.x : Wine の導入 | 221B Baker Street
wineの再インストール Prankの備忘録


続き ⇒ SSD換装とOS再セットアップの手順「ThinkPad X270」