EXS24 奏法の切り替え設定(弦楽器・ストリングス編)
前回までは、EXS24内部パラメータの調整に[Violin Solo(Arco)]を使いましたが、今回はオーケストラ用の[Violins01 Section]をカスタマイズしていきます。EXS24音源の奏法の切り替え設定
EXS24の弦楽器・ストリングス音源は、6つの奏法に分かれてサンプリングされています。- レガート
- ピッチカート
- スタッカート
- トレモロ
- トリル1
- トリル2

Violins01には6つの奏法毎にサンプリング音源が用意されてますが、これらが一つにまとめられたのが「Violins01 section」です。
このオーケストラ音源に切り替えてで前回のサンプルを再生。すると面白いことが起こりました。



そう、何か知らんけど奏法が勝手に切り替わってるのですよ!
どういうこっちゃ(' '*)!!?
どうも聞いてると、ビブラートの深さに割り当てたはずの[Ctrl#1]値で切り替わってるみたいなんですね。
EXS24のバイオリン音源を解析してみる
なぜ[Ctrl#1]の値で、奏法が変化してしまうのか!謎を解く鍵は、EXS24の[edit]にありました。サンプル音源をそれぞれのキーに割り当ててる[edit]の部分です。

[edit]をクリックして表示された画面から
左上のグループをクリック → 表示から「グループの選択」を表示できるようにします。

すると、それらしき原因が設定画面に見えてくるわけですよ。
なになに? 初期設定では[Ctrl#1]の値で、再生される奏法が切り替わるようになってたんか??? ともかくEXS24、まさか奏法の切り替えまで出来たとは。お陰で気づけました。
まぁしかし[Ctrl#1]は通常どのシンセでもビブラートの反映に使うものです。
奏法の選択は、別の[Ctrl#]を割り当てたほうがよろしい。ということで...

フットコントロール[Ctrl#4]で、奏法の切り替えをできるようにします。
およそ一般的に、奏法の切り替えはフットコントロール[Ctrl#4]で行うようですね。
- [Ctrl#4]="0〜9"......レガート
- [Ctrl#4]="10〜36"......スタッカート
- [Ctrl#4]="37〜63"......トレモロ
- [Ctrl#4]="64〜90"......トリル1
- [Ctrl#4]="91〜117"......トリル2
- [Ctrl#4]="118〜127"......ピッチカート

では、奏法を実際に切り替えてみます。
フットコントロール[Ctrl#4]に割り当てた値で、きちんと演奏仕分けてます!
スタッカートは、アップとダウンが交互に切り替わってるのがスゴイな。
ちなみにフットコントロールは、ノートオン直前の値が反映されるようです。キーを押した後に値を変えても反応しないので、直前で切り替える。
ベロシティの変化を滑らかにする
補足...サンプル音源弄ったついでに、ベロシティの変化も確認しときます。
- [v="0〜70"]......小さく柔らかい音で再生
- [v="71〜110"]......中位の音で再生
- [v="111〜127"]......強く硬い音で再生

つまりこの状態ですと[v=70]と[v=71]の境目...及び[v=110]と[v=111]の落差が目立ってしまいます。たった[1]違うだけで
ベロシティ変化の境目は滑らかにした方がいい。
そんな時、EXS24のグローバルパラメータというのをちょろっと弄る。

左側の[Xfade-↕Ammount]で、ベロシティによる音源切り替えを滑らかにできます。試しに[±12]に設定してみる。
すると境目付近は2つのサンプル音源を同時再生し、その比率で音質がだんだん移り変わるように鳴る。いい感じになります。
ただしコレで[voice]...同時再生可能のサンプル数が上限に達しやすくなるので、上の[voice]の値はやや余裕を持たせておきます。ひとまず[32]に。
うん、ベロシティ変化。境目付近の落差が落ち着きました(' '*)
AppleLoopsのインストを再生してみる
ああ、そうだ。ここまでやれば、ようやくAppleLoopsのインスト音源(バイオリン)をきちんとサンプル通りに再生できるんですよ。
Escape G Violins 1

Escape G Violins 1

Desire A Violins 1

Longing D Violins 1

Float E Violins 1

Capital E Violins 1
インストLoopには譜面のキーやベロシティの強弱、エクスプレッションの抑揚など、参考になる部分いっぱいあります。 こんくらい激しいメロディだと、同時再生上限数[32]では足らんかったな。[64]にするか。
そしてアレンジの幅どんどん広がっていく。素晴らしいです!
ああ、しかし現段階では登録されてない奏法[アクセント]が常用で欲しい。
音の出だしを力強く、直後に弦を解放してスゥっとフェードアウトさせる鳴らし方。 ちょうど[レガート]と[スタッカート]の間みたいな音。
次回は、その演奏を定義→フットコントロール[Ctrl#4]に登録まで行おうと思います。