LinuxでのDTMを志す方へ

(記:2020.08.12)


筆者のOSは現在Linux mint19.3 xfce。LinuxでのDTMは数々の障害が立ちはだかります。対応するDAW(作曲ソフト)の少なさ、音源やエフェクトなどの有料プラグインをLinuxに対応させることの難しさ。 執筆時点で、なんとかLinuxでも本格的な音楽制作環境が整えられるようになりましたが、一筋縄では行かないでしょう。しかし起動速度やリソース、消費電力の無駄のなさから、快適な環境でもあります。Linuxで挑戦してみたい方向けに、以降のコラムを綴ります。

Linux対応 DAW音楽制作ソフトのおすすめ2選

Linux対応するDAW(作曲ソフト)からオススメのものをピックアップ。

  • REAPER......シンプル・軽快・低メモリ消費、カスタマイズの自由度が天井知らず
  • Bitwig Studio......モジュラー(?)の応用力があまりに高い...各種エフェクトを視覚的に行える強み



上の2つはWinMacLinuxどのOSにも対応してるので、例えば使いたいプラグインがどうしてもLinux上で動かせない場合、win環境で再編集することも可能ですし、なんとなく予防策とれて安心。

それぞれのDAWについて詳しく見ていきたいと思います。

ああ、そうだ。ソフト選びのことだけど、開発者の感性って性能に大きく左右すると思う。
どういった制作プロセスを想定して、設計が練られているのか。という視点からソフトを選んでいくと、自分に合ったものを見つけやすいんじゃないかな?って感じます。DAWに限らず。

REAPERについて

REAPER
⇒ REAPERの公式ダウンロードページ



DTM初心者から、ある意味こだわり派の層まで幅広く支持されるDAW、60日間無料で使えて、以降はライセンス購入(個人は6000円くらい?)するまで起動時に数秒間のテロップが流れるだけ。。。というほぼ制約のないソフトです。すごいのは、作りが非常にシンプルであること。起動も早く、動作が軽いこと。メモリ消費も消費電力もおそらく最低水準です。なのにカスタマイズを突き詰めれば、おおよそ出来ないことはない!と言ってもいいくらい、機能的に天井知らず。スクリプト部分を直に触れるからですね。。これ。。。


編集画面、マウスでの譜面の打ちやすさにググっと!来るものが在ります。
私が基本マウス(というかタッチパッド)編集なので、体感的にとっても作りやすいです。

REAPER MIDI打ち込み

オートメーションもフリーハンドで細かく書けたり、ベジェ曲線が使えたり。ベロシティの調整も楽。ポインターでなぞるだけ。。。すごいわ。。。

REAPER EQ

エフェクトも、EQからコンプ、リヴァーブ、簡易サンプラーと最低限のものが揃います。性能も申し分ない。
サンプラーだけはメイン使いするには機能面が足りないような気がする。ただ、あくまでREAPERはDAWとしての骨組みに特化してて、足りない?機能は他のプラグイン()を導入することで解決できるものです。自分なりにカスタマイズしやすい設計。コンセプトがLinuxに近いものがあります。
サンプラーはSforzandoを併用するのが現状おすすめ。。

OSがWinやMacにも対応するので、日本語の解説サイトさんも充実してて心強い。
REAPERの使い方については私も後のコラムで追記したいと思ってます。

Bitwigについて

Bitwig Studio
⇒ Bitwig Studioの公式ダウンロードページ


無償のデモ版で、ある程度の使用感を試せる。
プロジェクト保存ができる有償版、だいたい5万円くらいです。

Linuxを導入してから、私はBitwigStudioを最初のDAWにお迎えしました。これ従来のDAWとはあまりに視点が違いすぎて驚き。モジュラーとは?? ボリュームコントロールみたいなノブ()をいくつもつなぎ合わせて、夥しいエフェクター群の特殊効果像が。。。ああああ、マニアックな方にはたまらないはずだ。

元の音源に、色々なエフェクターを多用できすぎて。深みにハマると思います。 とにかくサウンドの編集に限界が見えない。一つのトラックの出音に対して、耳で聴きながらも、pitchやEQなど視覚的にサウンドの調整ができるのが強みです。 各種オートメーションも、直線に曲線、モジュラ-追従など、色々充実してます。

特筆すべきは「DAWが落ちない!」こと。LinuxだとWindows用のVSTプラグインを無理やりwineで動かすこともあり不安定、そんなときにプラグインがクラッシュしてもプロジェクトに損害が無いことが何よりもポイント高し。

モジュラ-

触っててとっても面白いDAWで、DTMやシンセのことを身を持って体感するのに最適なソフト! MIDI_CCをモジュラーと連動させつつ、サンプラー音源の出音に対して、どのようなエフェクトをつけると表現力が広がるのか?というのを自分なりに追求させていただきました。 おかげで、一音による表現の限界が取っ払われました。自前でサンプラー音源を組んだりとか。。。(Kontakt音源をそのまま使うよりも幅が広がる)


注意点として、譜面やメロディ主体の作曲?とは、やや視点が異なる気がする。たぶんシンセを弄るのがメイン。
自分のコンセプトや表現したい音、軸をしっかり持ってないと、迷いやすいと思います。色々弄れすぎて。

おそらくBitwigは次世代の音の追求に特化している。可能だけれど、純粋な譜面編集だけで曲を作っていく感じではない。 私の作る曲の方向性と照らし合わせると、音源の調整はBitwig、譜面を描くのはREAPERが適任という結論に至ります。

まさか複数のDAWを使い分けることになるとは。。。(' '*)

その他のDAWの比較

さて、他のフリーDAWソフトもピックアップしてみます。

  • RoseGarden......MIDI譜面を打ち込む作曲シーケンサー。2000年代で更新が止まっている。
  • Ardour......オーディオ編集、各種エフェクターが充実。それなりに譜面制作も行える
  • LMMS......パターンの繰り返しが得意、ダンスミュージック、テクノ、ポップ系


機能的には、どれも「Bitwig Studio」に微妙に及ばないながらも、それぞれ得意分野、苦手分野、はっきりしてる。 逆に機能が絞られてる分、REAPERを含めて最初はフリーの音楽制作ソフトに触れるのも良いかもしれません。

RoseGardenについて

2000年代のMIDIの譜面制作に特化したシーケンサーという印象。

Rosegarden

1トラック内で、MIDIコントロールチェンジによるオートメーションも描けます。ただし直線かフリーハンドのみ。

RosegardenMIDI


EQなどのオーディオのエフェクトが苦手。一応、最低限のエフェクト(コンプ、EQ,リヴァーブなど)加えることはできますが、使いづらい印象。

Rosegarden エフェクト

これはEQを操作する画面、わかってる人なら使えないこともないけれど...
ちょっと懐かしくなるシーケンサーでした。MIDI時代の視点のまま更新が止まっている。
今となってはREAPERの方が使いやすい。

Ardoerについて

オーディオ編集に心強いDAW。Linuxでは無料で使える。

Ardour

出来あがったサウンドデータに対して、足りない音量をブーストしたり、逆に出すぎた所を引っ込めたり...といった「コンプレッサー」。。。
低音域をちょっと下げて、高音の伸びを後押しする役割の「EQ」イコライザ調整。。
空間残響の「リヴァーブ」で、立体感を出すサウンドに。

Ardour エフェクト

(Rosegardenでは分かりづらかったEQエフェクトも、視覚的に分かりやすく操作可能)

そして仕上げの音量のバランスを調整してくれるマスタリングエフェクトなど。

唯一の難点は、MIDI譜面に対してのオートメーション機能が足りない所。執筆時点において譜面編集は苦手な印象。 これは以降のバージョンアップに期待でしょうか。逆に言えば、ここさえ揃えれば...

ArdourMIDI

(Ardourの苦手とする譜面編集)

LMMSについて

このソフトの特徴は、譜面制作とオーディオ編集が最初から両方行える点です。 譜面はパターン編集で、繰り返しのリズム、重なりを得意とします。シンセも標準で付属。ダンスミュージック、クラブ、テクノ、アンビエント、リズムやベースが主体となるような曲。んん。まぁその辺を想定して機能が揃えられてる感じ。

逆に、メロディアスな曲とか、こう一音一音に表情を付けたりといったことは苦手な印象を受けます。 FL Studioという有料ソフトに似せて作られてるそうです。

LMMS

しかし、プラグインが整理されてなかったり、ちょと機能が散乱してて初心者にはおすすめできない。。 いや、うん。合う人にはきっと合います! 試しに 他のソフトの使い勝手と比べるにもいい。

解説サイト
LMMS で、テクノ系四分打ちビートパターンを作ってみよう
LMMS (Linux MultiMedia Studio) ver 0.4.13 はじめの設定

追記:Tracktion

後日の追加分です。こちらもLinuxを始め各OSに対応の有料DAW「tracktion」の前versionが、フリーでDLできるようです! 私は試したことがありません。

tracktion
⇒ Tracktion T7 DAW


まとめ

はい、主要なLinuxの音楽制作ソフトはこんな感じです。
次回は、REAPERのインストールと実際に音を鳴らすまでの手順を記します。

REAPERインストール方法 on Linux ⇒ 音を鳴らすまで