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携帯小説✨時守

携帯小説「時守」

悠然と変わりなく在り続ける森...
さらさらと透き通った水の流れ、秒針の進む音が遠く響いてくる。



ほら、"時"が湖の底に映っている。
見えますか。






え、分からない?




なら聞いてください。


金木犀の鳴る時期が年に一度来るでしょう?
ちょうど秋になる頃に、この金木犀が時の花を散らしてくれるのです。


その、一年に一枚だけ...





……。


見えましたか?
此処に数え切れないほどの枯花が埋葬されているのを。。







それでも、やはり見えないのですね。



…。現実には何も無い。
誰の目にも映らないのです。


でも、時守だけが知ってます。
それを見届けたものとして、彼の心にだけ。
時の花びらが重なっていくのを。



いくつも、いくつも。。
どれだけの想い出が、通り過ぎて云ったでしょう。




いつしか、彼自身の時が失われたとき。
花は、永遠に消えてしまう...



けれども時が来るまで、彼は唯ひっそりと見守り続けるしかないのです。

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