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Timelessberry✨水が教えてくれたこと

2−4「水が教えてくれたこと」

いつの時代での出来事だっただろう?

調和の物語がひとたび終末を迎え、

いつしかその変遷を、新たなる神話が塗り替えることになったのは。



その原因は推測に過ぎないけれど。

もしかしたら、何処かの星が一つ滅びたのかもしれない。

星が一つ滅びたということは、

宇宙と繋がったあらゆる生命の情報が1つ消えてしまうという事。

光が届くまでに少しの時間は掛かるけど、

もう既に起こったことならば現実は変えようがないのだ。


其れまで調和を保っていた世界は、

一つの綻びが出来たことで少しずつバランスを失っていったのかもしれない。




これは何十万年もの前の時代のことだと伝え聞く。

過去に起こった出来事など、記録を読み解けなければ想像でしか語れないけども。













いつの頃からか世界は、支配と欲望の渦巻く混沌とした時代を生きていた。

人々は安息を奪われ、
平穏や富や名声を求め奪い合い、罵り合い、そして戦ってきた。


人々の生命線は「食」だ。
「食」を支配するという事こそが、世界を支配するということ。
だが、それは一朝一夕で成し得られるものではない。

よって、時の支配者は「食」に変わるものとして「金」を絶対基準とした。


「金」は富の証。
そんな夢を、少しずつ少しずつ全世界に広げていったのだ。


「金」は水と同じで、思いを純粋に映し出す鏡のようなものだから。
直ぐに染まる・そのものの想いを、心を、願望を。

偽りの価値に染められた歪な世界に生きる、人々の心を。
映し出す。映し出す。金が支配する世界を
そうして「金」が絶対的な力を宿し金が全ての世の中になっていく。

【偽りの神】は、願った。もっと力がほしいと。
それは自らの地位と平穏を得るため、

その他大勢の生命を「金」で支配し、コントロールすることで。
我は神である、そう言い聞かせることが出来たのだ。


自らにとって脅威なる「存在」すら、
その力を「金」を以て支配し、配下に収めていくことで。
事実上、敵なし。



絶対的な力。

「金」を振りかざす事で、それに逆らう者は居なくなる。

「金」を多く所有する者が、多くの人の命を所有する。「神」に近い存在ではなかろうか。


世界一「カネ」を持つモノこそ

【神】の座にふさわしい存在となった。
唯一の、平穏と安息と富と名声が、其処にあるものだと。
誰もが信じて疑わなかった。

だから、多くの人が偽りの神にすがった。

我に平穏と安息を
我に富と名声を


彼らは、長い間、真実を失った時代を過ごしたことで、
本気で忘れ去ってしまったんだ。それが偽りの座であることを。
そんな場所に救いはないと、誰が気づけたであろうか?

誰が...
そう、真実の記憶を封印したのは...

・・・・・・

生命の記憶を紐解いていくと、少しずつ歴史の全貌が明らかになる

封印された星命の記憶が蘇る時。

その秘密を開放した瞬間に、世界はまた「始まりの姿」を取り戻す。



スセンは、予感していた。

時は西暦2012年、「水」の時代に変遷するポイントにおいて。

失われた星の記憶が復活し、世界は本来の姿に立ち返るであろうことを。

「水」の記憶は奥深くに沈めども、決して無くなることはないのだから。




今、手元には「本」が2冊あった。

「炎の記憶」そして「水の記憶」



今、ここに記される言葉は、望まれて生まれてきたもの。

言葉だけじゃない。全ての存在は望まれて生まれてくるもの。

宇宙の星々の間には、何らかの形を成したいという想いが絶えず渦巻いている。

この世に存在する全てが、そんな【想い】から形になったものだ。

眠りの世界で見る夢の情景も似たようなもの。

夢は、望まれてその情景に生まれてくるの。

だから覚えていてあげて。

ただし、その姿は記憶に留めておくにはコツが居るけれど。

現象と、思考と、感覚が、ごちゃごちゃで繋がりがないから、思考では理解できない。

人は、関連性のないものを理解できないから、

ならば、感覚でありのままを受け入れてしまえばいい。


。。。



それは、水が教えてくれたこと。水の記憶。

始まりの日、その日は雨が降っていた。


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