巡る箱庭✨文明人の都

2−2「文明人の都:鳥のように空をとべるんだ

鉄筋コンクリートの高層建築。ビルの立ち並ぶ街、商店街、オフィス街、住宅街。
住まいの空間を快適にするのに電気(室内の温度や湿度を一定に保つ装置に使う)
また電車などの各種交通機関や高層ビルのエレベーター移動などに電気...(移動装置にも)

食べ物を料理したり保存したりするのも電気(電磁火力や、電気冷蔵庫などが主流)
そしてお金のやり取りにも(この時代はお金が電子決済システムにまで発展していた)
医療機関や人命維持装置には、稼働させるのにやはり電気が欠かせない。

「巨大な電気ビルの街並み」


案内人は、空を往来しながら外界の様子を見下ろしていた。 晴天の青空が広がる、人の街では電柱が道路沿いに何本も建ち、幾重もの電線で張り巡らされていた。人の都は電気エネルギーの集う場所。電線にカラスが数羽止まって、同じように街を見下ろしている。外見は案内人とさほど変わりない。


その景観を通じて、スセンは語りだす。


「此処に昔住んでたんだ。ブロック状の道沿いに、白い壁面の四角い建物群が並んでるだろ。うちは5階建て集合住宅の502室だった。もっと都心部では10階建てなんてのもザラ。商店街の並ぶビルの2階からが住宅になってる処もある。建物がありすぎて家の敷地が足りないんだ。」

「道路は灰色。大きな車(鉄製4輪の移動器具、電気やガソリンで動く)の往来が激しい。随分な活気だ。車が何台も通るのか、道路幅は街並みのおよそ半分くらい占める。地面が道に占領されちゃって...その上に掛けられるのは歩道橋、その下を地下街が通ってる、土地の有効活用? まぁコンクリート基盤は頑丈だから、多少無理な構造でもビクともしないんだろうね。。。」
「少し冒険してみようか...隙間から建物(デパート)の中に入り込めるよ」


都心はおしゃれで立派な景観だと人は言うけれど...次世代にとってはどうだろうね


「うん、行ってみようかな」


マーリユイトは応える。さほど違和感は覚えない。


人の往来が忙しなく、動く階段で様々な人達とすれ違った。
けれども、透明な二人に気づいてる様子はない。

建物(デパート)では8階から、7階、6階と色んな服屋、靴屋、鞄屋が並んでる。 同じようなデザインの服ばかりで、そして人形たちも、同じようなデザインの服を着ている。 ジャケット、スーツ、ネクタイ、革靴、ヒール。。。同じのばかり、別に面白くも何とも無いな...次にいこうか。


動く階段に乗って、いや乗る必要もないんだけどさ。 滑り落ちるように下の階層へ突入。次は電気のアミューズメントパーク。


「これ、コントローラーのボタンで、画面の人間が思うとおりに動いてくれる。右ボタンで右。Aでアクション。敵をなぎ倒していってゴールまで進むんだ。ピコピコ」


あ、そろそろ閉店時間かな?(早いね)
電気が消えて、シャッターが下ろされてく。がらがら。
ああ、もうボタン押しても動かないや... 電車に乗って移動するかな。


「電車は2階に通ってる。この日はダイヤグラムが遅れてるね。あ、この姿なら普通に割り込めるかな...」

電車が寸断されて、中に入っていけた。
池袋、池袋の次は、池田〜池田〜♪


「こんにちは、人間さん」 「こんにちは...雪?」

雪が降ってきた。 晴れてたのに、急に吹雪いてきた。 これは危ないかな? 電車から上空に飛び立つ。

電車は線路沿いを何事も無く移動していった。


上空は風が強い...今は使われてない立体橋(建物群を見下ろせる橋)の骨格に捕まり、暴風から飛ばされまいと必死に留まるしかなかった。 地上では、往来する車が道を滑ってぶつかり合った。雪だから...凍ってるんだ。車のビープ音がスゴイ。通行停止。大変だ。マンホール(道路の水の通り道)にも穴が空いた。 コンクリートで頑丈なはずの壁面が崩れだした。 どれも、経年劣化や悪天候を想定して作られてない...

ああ、これから復旧作業に移っていく。
みんな沢山働いて、立派な街並みを維持しようと頑張ってる。


ガタガタ。みんな台無し。ガラガラ。頑張って元通り。ピカピカ。


鬱だ...そんな声が聞こえてくる。


「あなた、何かに憑かれてますね。心当たりはありませんか?」 「...さぁ? いつものことですから」 「まぁ大変! そんな貴方に朗報です。私はヨーガー行者。聖者の悟りへ導くもの。あなたを聖徒アナスタシアへとご案内しましょう。本来の輝かしい自分を取り戻すのです!」 「はぁ...(ま〜モノは試しだし案内されようかな)」


統一された大きな意志の下で、人形たちが偉大な発明品を動かす。
その発明品たちは、電気エネルギーでほとんどの動力を賄っていた。

高層マンションの一室に案内される。

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【現在の章】第二章「スセンの足跡」
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