巡る箱庭✨始まりの書

1−「始まりの書:まえがき

♪BGM「記憶の書」を鳴らす

一つの物語が描かれるには、最初に真っ白なキャンパスが必要だ。

冒頭のページに触れる。此れからどんな出来事が記されていくのか。
私は夢の中で、新たな書の誕生を心待ちにしていた。

この書斎では、過去に綴られた史歴の数々が、幾層にも重なって眠っている。 これらの本は、時空を隔てることで何時でも内容を読みとることができる。 どんなに時代を経ても、身体が遠くに離れても、未来永劫あらゆる存在との繋がりを覚えていることだろう。 書に記された無数の物語は、各々の魂と肉体、そして、大地の深層に紡がれ続けているのだから。



地上に編まれた新しい模様。
その響きが織り成す未来の物語について、想像を巡らせる。

『δ』


その模様は一つの名前を意味した。そして様々に形を変えていく。
此れから詠み始めるのは先代から未来の子どもたちに代々受け継がれていく物語。

原初の言葉は時代を超えて存在し。先代の営みは大地の礎となり、その起伏が、清流、水や風の通り道になって生命を育み、子どもたちに語りかける。

地形。土地に象られた記憶が、草や、花や、虫や、喋、鳥たち、樹々を通じて、少しずつ鮮明に描き出されていく。 古ぼけた白紙のページが捲られ、大地に吹き荒れる小さな音の波が筆跡を綴り、書は幾重にも積み重なっていく。

物語は、進んでいく。先代たちの生きた記録として。



「こんにちは!」


祖の響きは、今日を生きる存在への贈り物となる。
続く言葉を子どもたちが見聞きし、そのまた子どもたちの、子どもの子どもの、ずっと未来の子どもたちへ「星々の伝言」を通じて、終わりのない物語は受け継がれていくだろう。

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ほら、おいで。此処から私と、お前さん自身の成し得る魂の旋律を、物語と音楽にこめて。 自らの生が紡がれし、旅立ちの1ページを読み進めようではないか。

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【第一章】登場人物
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