創造の力を磨く(6)-細部に渡るまで自分を構成するツールを認識すること-

創造を試みる時。


初めて曲作りをしようとしたときもそうだった。
初めてバイオリンに触れた時もそうだった。


創造する時、これを作りたい! これをやりたい!
そんな想いから、必要な物を手元に用意して実際にやってみることをする。


でも、どんなに完成図をイメージしても、最初からは上手くいかないことが多い。 その時は、誰も作曲ツールがどのようなものかイメージ出来ないし、 バイオリンがどうやって音を鳴らし、どうやって音階を切り替えて演奏しているのかも具体的なイメージが湧かない。 そしてそのイメージの足りなさが、現実に上手く再現できないという結果となって現われます。



現実に創造する時、必ずそれに伴うツールが必要になる。 創造する力を磨くとは、実際にイメージする力に加えて、 さらに創造イメージに再現に必要なツールの隅から隅までを詳細に把握することも欠かせない。

と、かくも当たり前なことに気づきます。



赤ちゃんを見てたら、それをよく学べる。 まだ自分の身体というツールを上手く認識していない赤ちゃん。 あそこに行きたい、という意志も、うまく自分の身体を動かせず、立っては転び、一生懸命這っては進む。

赤ちゃんを観察すると、どうやって人はツールというものを認識し、使いこなしていくのか。 そこを学ぶことが出来る気がします。赤ちゃんは、ただ無心に、求めるままに動こうとし、試行錯誤しながら自分の身体を隅々把握しようとし、少しずつ使いこなしていくのだから。

字を書くのも、絵を書くのも、言葉を発するのも!


ただ一心に表現したい現れ。赤ちゃんは、生まれた時から創造することに喜びを感じている。 一見稚拙に見える? 大人たちから見ればそんなの誰でも出来ると思う? 否、 そんなことは断じてない!! 最初は誰だって何にも出来なかったの。

ここに創造の種が、生命の可能性が輝いてるではありませんか!!


未だ自分のツールを詳細に把握できていないにも関わらず、何かを表現しようとする意志! 創造の意志が次々と作品を生み出すにつれて、自分の身体をどのように使えば、このツールをどのように使えば「音」が出るか。其れが次第に細部まで・・・音色バンクはこの階層にバイオリンの音があること、オーバーレイ効果というのはこういうもの、レイヤーの複製はこういったことが出来るもの、といった細部の機能に至るまで少しずつ把握し、使いこなせるようになるのだ。


人は常識に囚われ、其れ以降新たに創造することをやめてしまったから、
自分の身体に眠る様々な機能を使いこなすことがないまま、今もその能力を眠らせています。


赤ちゃんは、赤ちゃんは。。未だ解明されない創造性のかたまり。私たちでは想像もつかない何かをやってのける力を秘めてる。 大人たちはただ見守り、地上で安心して生きられる愛の空間を与えるだけで十分なのだ。。と理解できます。 そこで赤ちゃんは自ら創造性を発揮し、自分のツールというものを把握し、それは身体だけでなく周りの空間全てまでに及び。

どう動いてどう動かせば、こうなるのか。詳細に把握できるようになる。
自然と触れ合う時、自分のツールとしての宇宙の仕組みを知り、それを使いこなす術を知る。 自ずから、赤ちゃん自らそれをする。私たちに口出しは要らない。


この子から学ぶことの、なんと多いことだろう。


作曲をしたい? それは曲を作りたいでなく、何か表現したいものがある? それでツールというものに初めて触れるの?
バイオリンの演奏もそう? バイオリンを弾いてみたいでなく、バイオリンの音色で再現したい音楽がある? それでバイオリンというものに初めて触れるの?


自分も、赤ちゃんに戻るんだ。初めて触るもの。
創造する喜びを、このツールで再現する。自分の身体と、どうぐ。
創造を繰り返しながら。そのツールの機能を詳細に渡るまで把握していく。


自分の身体の詳細を把握することは必要だが、それは通過点にすぎない。ツールの機能を把握することが目的ではない。 学問は、そういった意味で重要度は低い。


それよりも集中するんだ、自ら創造したいものに。

創造の喜びを体現すること。一心に求めること。
その過程で、ツールの理は自ずから学ぶ。よりよい作品を産み出すために。



まだ明かされていない未知の扉を開く。
創造の喜びから、様々な恩恵がもたらされるのだと。


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