死者の声を聞くのは誰?

死者の声を聞くのは誰?
生前、願いを持っていた人。こうしたい。あぁしたい。ついぞ願いが叶わなかった人。

「家に帰りたい、帰りたい」

 
ずっと繰り返していた。

おじいちゃんは、ずっと家族のことを心配していた。
家族のことを傍で見守っていたかったんだ。
見守って、たぶん少しでも家族の助けになりたかったのだ。

 

家には庭がある。
そこにお骨を埋めてあげよう(o _ o。)

そうすれば、おじいちゃんの生前の記憶を灯したお骨が
土の中で、土の中であの子たちが、土の中の微生物たちが想いを還元してくれる。

お骨の情報があの子たちの力で土に還る。雨で地下に運ばれる
その土壌で梅の木、お庭の木が育っていく。
毎年、実をつける。梅の花。そして梅。
おじいちゃんの骨の記憶が、土の養分になって、その養分で梅が育つ

その梅を、家族が食べる。
おじいちゃんの願いが、土の中の微生物と、梅の木によって、叶えられる…

 

死者の声は誰が聞く? 土。水、木。
そこに宿る微生物たち、精霊たち。


“死者の声を聞くのは誰?” への2件のフィードバック

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